中国各地で銀行に預けたお金が、突然引き出せなくなる事態が相次いでいる。しかも、銀行は一切責任を負わず、窓口に押し掛けた人々を追い返そうとする。

先月28日、江蘇省塩城市にある「塩城平安銀行」から「年金を引き出せなくなった」という複数の高齢者が銀行のなかで抗議を行っていたことを示す複数の動画がSNSなどを通じて拡散されている。

中国国内の情報を発信する、著名なツイッターアカウント「李老师不是你老师（李先生はあなたの先生ではない）」によると、老人たちの年金は今まで3か月もの間、一銭も引き出せない異常事態にあったが、銀行幹部は時間稼ぎをしているだけで全く問題解決に動かなかったという。

年金を引き出せなくなった預金者のなかには、ガンを患っている家族の治療費を支払えずに困り果てている人もいるようだ。

扉に「平安銀行」とある動画の1つのなかには、病で横たわっている家族と共に銀行内で「預金を引き出せないことに抗議する」シーンもあった。抗議する中年女性の市民は、銀行の出入口付近に自宅から持参してきたと思われる布団を敷き、その上には女性の家族と思われる高齢男性が横たわっている。

（「お金を引き出せなくなった」として、平安銀行内で抗議する市民）

平安銀行は、中国保険大手の中国平安保険（集団）系列の銀行で、深センを本拠とする商業銀行である。

関連話題をめぐっては、「私（あるいは私の家族や友人たち）も銀行からお金を引き出そうとすると、あれこれ口実をつけられて阻止される」といったコメントが相次いだほか、「『平安銀行』だというのに、ちっとも平安じゃない」との痛烈な皮肉まで寄せられている。

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