米大学の運動部を統括する全米大学対抗陸上競技協会(NAIA)は8日、トランスジェンダーの選手が女子の競技会へ出場することを禁止する方針を決めた。
会長理事会が20対0の全会一致で禁止を承認し、8月から適用される。NAIAによれば、同協会主催の女子運動競技に参加できるのは、生物学的性別が女性でホルモン治療を開始していない選手のみ。治療をしている選手はワークアウト(体を鍛えること)や練習に参加できるが、外部大会への参加は不可とした。
競技チアと競技ダンスは男女を問わず参加可能だという。
NAIAは決定の理由として、「すべての学生アスリートにとって公平で安全な競技の機会をサポートする。タイトルナイン(米国の公的高等教育機関における男女の機会均等を定めた連邦法の修正法)は、女性アスリートにも平等な機会を保障するものだ」と述べた。
米国ではトランスジェンダー選手の女子運動競技への参加をめぐって、論争が巻き起こっている。先月には米国の女性アスリートら16人が、全米大学体育協会(NCAA)がトランスジェンダーの女性による女子種目への出場などを認めたのは女性への性差別にあたるとして訴訟を起こした。
米国では、少なくとも24の州で、トランスジェンダーの女性が特定の女子運動競技に出場することを禁止する法律がある。
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