今月、中国スマホ大手シャオミ(小米)が最近発売を発表した同社初の電気自動車(EV)「SU7」の新車故障に関する複数の動画がSNSで拡散されて、物議を醸している。
走行中に突然「制御不能」になったり、納車からわずか数時間で「システム故障」になったりするほか、「衝突をしてフロント部分が大破しているにもかかわらずエアバッグが開かなかった」という命の危険に関わる深刻な故障のケースもある。
10日、シャオミのEV「SU7」の所有者は、道端に停車している「SU7」を指さして「この自動車は今朝、無錫市(江蘇省)の自動車販売代理店から納車された新車だ、しかし昼になるとエラーになって車が使えなくなった」と訴える動画がSNSに拡散された。
動画の中には、車載モニターは「車両異常、メンテナンスや修理が必要」という文字が表示されている様子も映している。
「SU7」の所有者は、「自分はシャオミのカスタマーセンターからの指示に従ってシステムを再起動したが、依然エラーの状態のままだ。販売代理店へレッカー移動するしかない」と説明した。納車されて数時間でこのような「災難」に見舞われたこの所有者は動画の中で、「初公開の車を買う際にはやはり慎重にならなければならない」との率直な感想を述べている。
数時間でエラーメッセージが表示された新車はその後どうなったのか。「『アフターサービス』による検査の結果、バッテリー温度センサーの破損で交換が必要だ」と言われたそうだ。
(4月10日、納車されたばかりの新車がさっそく「故障した」ことを訴えるシャオミのEV「SU7」の所有者。)
「衝突でフロント大破するもエアバッグ開かず」
この日、フロント部分を中心に大破したEVを映した動画もSNS上で拡散された。所有者は泣きそうな「笑い声」を上げながら、「この車は、シャオミSU7で、事故ってしまった」と説明した。
「なぜエアバッグが開かなかったのか」との疑問の声があるが、車の所有者と思われるユーザーは「車載モニターには『エアバッグ故障』の表示があった」と述べている。
(事故で大破したシャオミEV「SU7」。4月10日、所有者と思われるユーザーによると、「エアバッグ故障でアバッグ開かなかった」という。)
「予約注文のキャンセル率4割」
「SU7」は販売開始後は売れ行きが良かったものの、「予約注文のキャンセル率が4割に上る」ことで話題になった。
中国メディアの新浪財経によると、衝動買いをした消費者200人以上が「7日間のクーリング・オフ期間内に手付金(約10万円)を取り戻せない」として、法的手段に訴えているという。
「SU7」は、3月28日に発売されたシャオミの同社初のEV車だ。「SU7」は発売前から、外観だけでなく、スマートキーの形状やキーの電池交換方法までもポルシェが製造するEV「ポルシェ・タイカン」と酷似しており、物議を醸していた。
「パクリ」疑惑のほかにも、突然制御不能になり衝突事故を起こすなど、シャオミのEVに存在する様々な「欠点」を示す動画がネット上に投稿されており、その安全性に対する懸念が高まっている。
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