中国共産党(中共)は、習近平党首の下で再び粛清運動をはじめ、党の規律を強化することで「恐怖政治」を行っている。この記事では、中国政治の最新動向と国内外の政治的緊張がどのように影響しているかを探る。
中共は最近、3か月に渡る「党の規律学習」キャンペーンを開始し、大きな注目を集めている。アナリストたちは、この粛清運動の再開は、党内統治が危機に瀕していることや習近平が抱えている不安を露呈していると述べている。しかし官僚たちにとって洗脳キャンペーンは、形骸化されたものに過ぎないと指摘している。
今回、中央事務局から通知が発せられ、4月から7月まで「党の規律学習教育」を実施することが発表された。
党組織各レベルには、これを重要な政治任務と捉え「心に刻む」「全面的に浸透させる」ことが求められている。
法律専門家であり時事評論家の虞平氏は、「共産党は統一された思想を管理することを目的としている。粛清運動は官僚たちを中央と一致させ、規律を守らせるための手法であり、洗脳としての役割も果たしている」と述べている。
シドニー工科大学の副教授、馮崇義氏は、「この全体主義的政党は反体制派の排除や政治的粛清を通じて権力を強化し拡大しており、最高指導者の影響は毛沢東の手法に似ており、絶え間ない粛清を繰り返している」と指摘している。
中国経済の低迷と国内外の政治危機
最近の中国経済の減速や国民の不満増大により、中共内部の混乱が顕著になっている。習近平党首が信頼を寄せる蔡奇氏が党建設作業リーダーグループのリーダーに就任し、「党の規律学習」キャンペーンを開始した。
ボイス・オブ・アメリカが報じたところによると、北京で行われた「党の規律学習」キャンペーンは実際に党内粛清を狙ったものであり、習近平が発する「いかなる不忠も許さない」というメッセージは、党員に対する警告であるとしている。
虞平氏は、新型コロナウイルス(大紀元は中共ウイルスと呼んでいる)パンデミック以降、習近平の権力基盤は揺らいでおり、その結果として経済の低迷や国際的な課題が明らかになっているとし、「粛清キャンペーンが繰り返され、官僚たちは無感覚となり、かえって反感が高まり、その効果が薄れている」と分析している。
「毛沢東の時代とは異なり、現代の人々は粛清運動に対して耐性を持ち、抵抗する力が増している。そのため、粛清の効果は低下し、期待される結果には達していない」
また習近平が権力を維持するために「党が全てを指導する」という政策を強化し続けることが、中国経済や政治の環境に大きな損害を与えていると述べ、「政策の根本的な変更が必要」と指摘した。
虞平氏は、このような状況下での党の方針が、官僚たちだけでなく、広い社会からも不信感を招いていると警告している。
インターネット時代の情報管理と抵抗
また、インターネットの普及により、中共が官僚たちの情報アクセスを完全にコントロールすることは一層困難になっているとも指摘されている。情報技術の進展は、政府の伝統的な管理手法に挑戦し、より透明性の高いガバナンスを求める声が強まっている。
北京は国際的な信頼を失い、政権は大きな危機に直面している。このような状況を脱するためには、一党独裁の停止と中共の支配からの脱却が不可欠である。
虞平氏は、「中国が真の国際的なリーダーシップを発揮するためには、政策の根本的な見直しが求められる。民主的なプロセスと市場経済の完全な実施がその鍵となるであろう」と強調している。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。