先週、ショルツ首相が中国訪問を行った直後の4月22日、ドイツの検察当局は3人の市民を逮捕した。
3人は、中国共産党のためにスパイ活動を行い、ドイツの軍事技術に関する情報を提供していた疑いがかけられている。
ドイツ連邦検察庁は22日、逮捕した3人の中で、イーナとヘルヴィッヒ(Herwig F.とIna F)という夫婦はデュッセルドルフで事業を営んでいたこと、そして別の一人、トーマス(Thomas R)が中国共産党の国家安全部(MSS)の指示の下で活動していたことを明らかにした。
検察官によると、トーマスはドイツ国内で軍事利用が可能な先端技術の獲得を目指しており、その過程でイーナとヘルヴィッヒ夫妻が仲介者として関与していたという。
また、イーナとヘルヴィッヒ夫妻は自分たちが経営する会社を通じて、中国共産党の国家安全部の職員をドイツの大学に紹介し、機械部品の研究に関する共同研究契約を結んでいたとされている。
この3人は、中国共産党のスパイ活動に関与している疑いと共に、ドイツの対外貿易法違反の疑いを持たれている。
ドイツの内務大臣、ナンシー・フェーザー氏は、この逮捕がドイツの反スパイ活動にとって大きな成果だと発言した。
ドイツ内務省の報道官であるカール氏は、「中国による商業、工業、科学技術分野でのスパイ活動がもたらす顕著なリスクに対し、我々は警戒を怠らず、繰り返し警告を行っている」と述べてた。
中国共産党による海外でのスパイ活動は、世界中の多くの国々の関心を集め、対策が強化されている。
22日には、昨年、中国共産党のスパイ行為に関与した疑いで逮捕された2人のイギリス人男性が、英国法執行機関によりスパイ罪で起訴された。その中の1人は英国議会の元研究員で、中国共産党がイギリスの民主主義に浸透しているという懸念が高まっている。
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