スペイン国家警察は24日、トレド県で偽2ユーロ硬貨製造工場を摘発したと発表した。この工場は主に中国人グループが運営しており、スペイン国内で約10万枚、欧州全体で約40万枚の偽硬貨を流通させていた。過去10年で欧州最大規模の通貨偽造の犯罪だという。
捜査はユーロポール(欧州刑事警察機構)とカタルーニャ州警察との共同で2018年から始まり、スペイン中部を中心に調査が行われた。同年から2021年の間に実施された一連の警察の捜索では、似た特徴を持つ偽硬貨が押収され、単一の犯行グループの存在が示唆された。
偽硬貨の製造技術は洗練されており、本物の硬貨とほぼ見分けがつかないほどの高品質だった。偽硬貨は主にゲームセンターやカジノの硬貨式機械で使用された。犯行グループは製造拠点を頻繁に移動させ、金属製の硬貨はほとんど追跡が不可能なため、捜査は困難を極めた。
今年の初頭、事態は進展した。マドリード市警察による日常的な路上検問で、偽硬貨を大量に積んだ車両が発見されたのだ。中国人の乗員3人を調べたところ、大量の偽の2ユーロ硬貨が入った48個の袋が車両から見つかった。この検問が、より大規模な犯行グループの追跡に重要な手がかりとなった。
その後の監視と分析により、トレド県の倉庫が偽硬貨の製造拠点であることがわかった。現場の捜索では、油圧プレス、手動・電気機械式の機械、硬貨製造に使用される多数の部品を備えた設備が発見された。
この決定的な一斉捜査により、各種の器具と完成品が押収され、巨大な偽造ネットワークに関与した10人が逮捕された。
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