日本でも絶大な人気を誇る映画『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』などいくつものヒット映画に出演してきたルーカス・ブラックさん。順調な俳優人生を歩むも、ハリウッドのリベラルなアジェンダに嫌気がさし、伝統的なライフスタイルに戻ることを決意した。
近年ではCBSの人気番組『NCIS:ニューオーリンズ』をシーズン6で降板。本当の「自分」が殺されたと感じたことが理由だという。
「『NCIS』では大変でした」とブラックさんは振り返る。「特定のアジェンダを推進していると感じました。3年間戦ってきました。ある種の反発を感じながらの厳しい戦いでした」
それ以来、彼は出演する役柄を厳選し、単純に良い物語を探している。
父親ファースト
ジョージア州で家族と暮らすブラックさんは、『X-ファイル』や『コールド マウンテン』、『ゴースト・オブ・ミシシッピー』などにも出演した。しかし、テレビや映画で語られる物語に納得がいかなくなった時、彼は変化の時だと悟ったのだ。
俳優業で週70時間働くと、子育てをする時間はあまり残らなかった。3人の子を持つ父親として、息子たちにいわゆるハイウッドが描く「ベータ男性(近視眼的で魅力のない男性)」に育ってほしくなかった。今、最も重要な役割は、子供たちに昔ながらの価値観を植え付けられる伝統的な父親になることだと語った。
今ブラックさんは息子たちが伝統的な男性に育つことを願って、車の修理や家の中のものを修理するといった男性の典型的な家事を教えている。
「今の文化では、男の子を女性化しようしているように思います。エンターテインメント界における父親の役割は、長い間損なわれてきたました。親として、父親として、息子を責任感のある誠実な男にする義務があると感じています」
新たな役割
ブラックさんの最新の役どころは、信仰をテーマにした映画『アンサング・ヒーロー(Unsung Hero)、名もなき英雄』である。この映画は、音楽のキャリアを求めて一文無しでオーストラリアからナッシュビルに移り住んだスモールボーン一家を描いた実話だ。スモールボーン一家は数々の困難に遭遇するも、神様への祈りと揺るぎない信念をもって、夢を追いかける。
ブラックさんが演じるジェド・オルブライトは、裕福な善良なサマリア人で、スモールボーン一家を経済的に援助し、やがて彼らの夢を実現させる重要な人物となる。
「家族全員で観られる、健全な物語です」とブラックさんは言う。「この映画にはハングリー精神が描かれていて、信念と家族をテーマにした物語です。―――彼らは信念を持って夢に向かいます。この映画を観た人は皆、励まされ、高揚して立ち去るでしょう」
信仰をベースにした作品が、映画業界でメジャーになるのはそう簡単ではない。しかし、これまでの進歩に勇気づけられているとブラックさんは言う。
「信仰をベースにした物語では、ハリウッド映画のようなエンターテイメント性のあるコンテンツを作るという意味では、まだ道半ばだと感じています。しかし、着実に進歩していると感じます」
ブラックさんによれば、ハリウッドは信仰に焦点を当てなくても、伝統的な男性の役割を紹介する映画を作製できるはずだと語った。
「必ずしも信仰に基づくものでなくとも、ハリウッドが製作できる良い物語があります。ヒーロー物語、守ること、提供すること…しかし、ある種の意図を押し付けることなく、それを見つけるのは難しいのです」
「男性のリーダーシップに対する不健全な恐怖があると思います。良い男のロールモデル、男のリーダー、良い父親が家庭にいれば、文化や社会は発展する。我々はそれを取り戻す必要があります」
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