台湾の頼清徳総統は20日、就任式典に日本の超党派国会議員らが出席し、「自らの行動によって台湾支持の姿勢を示」したことに感謝の意を示した。「日本と台湾は運命共同体」であるとし、日台関係のさらなる発展に期待を寄せた。

頼清徳氏は日本語で公式Xに投稿した。台北市の総統府で行われた就任式には日本、米国、英国など主要国から600人以上の来賓が出席した。日本からの出席者には超党派議連「日華議員懇談会」に所属する31人の国会議員のほか、地方自治体の首長や議員らが含まれる。

片山さつき参院議員は「頼総統の国を守る誓いは感動的」とXに投稿。頼清徳総統と蕭美琴副総統は代表団一人ひとりと握手したと綴った。

松原仁衆院議員は頼清徳氏との面会に際し、北朝鮮による拉致問題を提起。頼清徳氏は「真剣な眼差しで耳を傾けていただきました」とし、「自由と民主主義への強い志を持つ頼総統のご就任を心よりお祝いいたします」と祝意を表した。

杉田水脈参院議員は総統就任式典の控え室での写真をXに投稿。「日華懇は超党派議連」であるとして、台湾に対する日本政界の支持を示した。

中山義隆石垣市長は「台湾と人民に対する思い、平和への覚悟、世界の中の台湾などその強い決意に強く共感した」と述べた。

この日は安倍昭恵夫人も招待で訪台しており、蔡英文氏との晩餐会に出席。蔡氏とのツーショット写真を投稿し「主人もきっと私の横にいたはず」「素晴らしい総統としてのお仕事、長い間お疲れ様でした！」とXに書き、8年もの首脳としての任期を全うした労をねぎらった。

1月の台湾総統選で勝利した与党・民進党の頼清徳氏は、蔡英文氏の後任として中華民国第16代総統に就任した。1996年の直接選挙導入後、同一政党が3期連続で政権を担うのは初めて。

頼氏は就任演説で、「統一」でも「独立」でもない「現状維持」を表明。中国共産党の野心について「幻想を抱いてはいけない」と警鐘を鳴らした。中国共産党の浸透に対抗し、安全保障の強化、経済安全保障の構築、民主主義国家との連携、実力によって平和を達成するという「平和の四本柱行動計画」を打ち出した。