台湾・香港 日本の芸能界にもインフルエンサーにも

中国共産党が台湾芸能界に浸透 その真の目的が明らかに

2024/06/17 更新: 2024/06/17

 

台湾の人気歌手謝和弦氏が公開した中国企業からのオファーにより、中国共産党が台湾芸能界にどのように影響を及ぼしているかが明らかになった。謝氏は誇り高い台湾人として、中国の提案を断固として拒絶している。この文章では、中国共産党の台湾に対する文化戦略とその背後にある真の目的を掘り下げる。

台湾の人気歌手、謝和弦氏が6月14日に自身のFacebookで、中国大陸の企業から提案された提携オファーを明らかにした。彼は、自分のFacebookに「新しい形の両岸関係の構築」と題した記事を投稿することで、1000万台湾ドル(約4870万円)を超える広告料を受け取ることができると公表した。さらに、中国共産党が、文化面で統一戦線を推し進めていることを暴露した台湾の有名インフルエンサー「波特王」(陳加晉)は、謝和弦氏とのやり取りを通じて、中国共産党の行動の背後にある究極の目的を暴露した。

謝和弦氏が公開した招待状には、「北京慈光影視傳媒有限公司」の会長「李世衛」の署名が含まれており、謝和弦氏に対し「投資不要」「リスクなし」との約束がされている。謝氏が行うべきことは、Facebookに「新しい形の両岸関係の構築」という記事を修正せずにそのまま投稿することのみであったそうだ。

その手紙には、「台湾では言論の自由が守られているので、Facebookで『新しい形の両岸関係の構築』という投稿をしても、何の問題も悪影響も生じない」と強調されている。また、「台湾和平党の副主席として、毎年最低でも、10社の中国大陸の台湾資本企業や河南省の工商業連合会のメンバー企業の広告キャラクターを務め、その活動だけで年間1000万台湾ドルを超える合法収入が保証されている」とも述べられている。

これに対して、謝和弦氏ははっきりとした態度で応じた。「すみませんが、私は誇り高い台湾人です。幼い頃からずっと埔里の水を飲んできました」と述べ、「1000万は自分の力で稼ぐだけで十分です。お断りします」とも伝えた。

台湾芸能界への中国共産党の影響 その目的は?

謝和弦氏がその投稿をした後、「波特王」という有名インフルエンサーがFacebookのコメントで、自分もその情報を知っていると明かし、謝和弦氏に接触した「北京慈光影視傳媒有限公司」は昨年中国で新設された会社で、設立時の資本金は1000万人民元(約2億1600万円)だったが、たった3か月で9000万人民元(約19億4400万円)に膨れ上がったと指摘した。

「波特王」によると、中国共産党が台湾に浸透する動きは、複数のルートを通じて進行中であり、謝和弦氏が受けたオファーもその一環である。この戦略の初期段階では、金銭を用いてスターやインフルエンサーを影響下に置き、「最終目標は台湾に新政党を設立し、中国共産党の方針に沿って運営すること」と述べている。

実際に「波特王」は、Facebookのファンページにて12日に投稿し、「信頼できる情報源によれば、7月下旬より、台湾のインフルエンサーたちが順次中国を訪れ、撮影活動を行うと見られている。予定されているのは10組の人々で、主催は海峡両岸青年協会であり、飛行機代と宿泊費は無料。招待の理由は両岸青年文化月のためです」と報告している。

謝和弦氏の妻、陳緗妮氏は「波特王」に対し、「北京慈光影視傳媒」が実際には既に3度にわたり謝和弦氏に協力を依頼しており、過去にはテーマコンサートを開催する名目で、政党無所属の台湾のアーティストや著名人をビジネスパートナーとして勧誘していたと返答したという。

 

佟亦加
関連特集: 台湾・香港