米国で乳牛への鳥インフルエンザ感染が確認された。18日の記者会見で、坂本農林水産大臣は現時点で直接的な影響はないと見ているが、国内での感染リスクに対する警戒と衛生管理の徹底を呼びかけている。
米国の複数の州では、今年3月以降、高病原性鳥インフルエンザウイルスが乳牛に感染していることが確認されている。米国当局によると、この感染は主に搾乳を介して広がったと考えられている。
坂本氏は、「米国からの生体牛の輸入は2003年以降停止されているので、現在のところ米国から乳牛を介して我が国に感染が広がるおそれはない」と述べ、日本国内での直接的な感染のリスクは低いと見解を示した。
日本国内での対応策
しかし、国内でも野鳥から乳牛に感染する可能性があることから、農水省は都道府県を通じて、牛の飼養管理者に対して警戒を呼びかけている。「牛に食欲不振や乳量低下等が見られた場合は、獣医師や家畜保健衛生所に相談するよう注意喚起している。また、衛生管理の徹底も求めている」と説明した。
農水省は、公式ホームページ上にQ&Aを公開し、国民に向けて正確な情報発信を行っている。今後も関連情報の収集と発信に努める方針である。
米国疾病予防管理センター(CDC)によると、乳牛飼育農場の従業員にも感染が確認されたが、いずれも軽症であったと報告されている。また、人への感染性を高めるウイルス遺伝子の大きな変異は確認されていないことから、一般市民への感染リスクは依然として低いとされている。
坂本大臣は「農水省としては、今後も関連情報を注視してまいります。人への感染防止対策については、厚生労働省にお問い合わせください」と述べた。
さらに、国内で流通している牛乳については加熱処理を行っているため、「人への健康影響はないものと考える。詳細については事務方または厚労省にお問い合わせください」とし、安全性を強調した。
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