XとスペースX、カリフォルニアから撤退 学生の性自認法めぐり

2024/07/17 更新: 2024/07/17

イーロン・マスク氏は16日、「X」とロケット会社「スペースX」の本社をカリフォルニア州からテキサス州に移転することを発表した。

この発表は、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事が、学校区が教師やスタッフに生徒の性別アイデンティティや性的指向を子どもの許可なく誰にも開示することを禁止する全米初の法律に署名した翌日に行われた。この法律は1月から施行される予定だ。

同法は「LGBTQ+の生徒は、学校で自由に自己表現をする権利があり、恐怖や罰、報復の心配をせずに、教師や管理者が彼らの許可なく(自分の性別アイデンティティや性的指向を)‘カミングアウト’させることはない。生徒の同意なしにカミングアウトすることを要求する政策は、生徒のプライバシーと自己決定権を侵害するものだ」としている。

マスク氏は、スペースXをカリフォルニア州ホーソーンからテキサス州ブラウンズビル近くの広大な企業都市「スター・ベース」に移転し、Xの本社をサンフランシスコからオースティンに移すと述べた。

テキサス州のグレッグ・アボット知事は、この決定を称賛し、「テキサスを宇宙探査のリーダーとして確立する」と述べた。

法律の支持者は、LGBTQと識別する生徒が家族に無理やりカミングアウトされることから保護すると述べている。一方、反対者は、この変更が学校と親との信頼関係を損なう。親は子供の性別の転換について知らされないことになると主張している。

マスク氏は、この新法が「家族と企業の両方を攻撃している」と非難し、(「X」とロケット会社「スペースX」の本社など)自身の脱出を促すきっかけとなった出来事だと述べた。

その後の投稿で、同氏は「約1年前に、このような性質の法律は、家族や企業が子供たちを守るためにカリフォルニア州から離れることを余儀なくさせる」と知事に警告したと述べた。

またマスク氏は「誰が州に子供を奪われるリスクを冒したいと思うだろうか?」と指摘した。

マスク氏には疎遠になった息子、ザビエル・アレクサンダー・マスク氏がいる。ザビエル氏は16歳のときに、公にビビアン・ジェナ・ウィルソンに改名し、トランスジェンダーだと自認していると発表した。

マスク氏はまた、サンフランシスコ市中心部の安全性をも問題視している。「建物に出入りするだけでも暴力的な麻薬中毒者のギャングを避けるのはもううんざりだ」と付け加えた

Xがサンフランシスコを離れるという発表は、それほど驚きではなかった。今週初め、Xがグローバル不動産企業JLLと契約して、カリフォルニア州サンフラシスコにある80万平方フィートの本社オフィス全体をサブリースするとの報道があった。

リストには、マーケットストリート1355番地の象徴的なアール・デコ建築「マーケットスクエア」内の46万平方フィートのオフィススペースと、以前にサブリースに出されていた1テンスストリートの33万平方フィートの付属建物が含まれる。

マスク氏が経営するEV・ソーラーパネル会社のテスラは、2021年にカリフォルニア州パロアルトからオースティンに本社を移転した。この移転は、コロナパンデミック中のテスラ工場の再開をめぐる地元の公衆衛生当局との紛争に続くものであった。

また、テスラは今年初めに法的本拠地をデラウェア州からテキサス州に変更した。テスラの株主がイーロン・マスク最高経営責任者の報酬が高過ぎるとして起こした訴訟で、デラウェア州衡平法裁判所は1月30日、原告側の主張を認めて、総額560億ドルのマスク氏の報酬パッケージの取り消しを命令した。これを受け、マスク氏は、テスラの本拠地の変更を推進した。

6月13日、この給与パッケージは株主総会で承認された。

Bill Pan
エポックタイムズ記者
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