米下院議員 中国共産党による姉妹都市協定の悪用を暴く法案提出

2026/05/19 更新: 2026/05/19

ロイ議員「米国の地域社会が、文化交流を装った外国の影響工作の前に無防備に置かれてはならない」

 

米下院議員が、外国の敵対勢力、とりわけ中国共産党(中共)が姉妹都市提携を悪用し、米国の国家安全保障を脅かすことを防ぐ法案を提出した。

下院司法委員会に所属するチップ・ロイ議員(共和党、テキサス州)は5月14日「姉妹都市透明化法(H.R.8833)」を提出した。法案提出を発表した同議員事務所の声明によると、米国の地方自治体は現在、外国の自治体と約1800件の姉妹都市提携を結んでおり、このうち157件は中国の地域社会との提携だという。

ロイ議員は5月14日の声明で次のように述べた。

「米国の地域社会が、文化交流を装った外国の影響工作の前に無防備に置かれることがあってはならない」

「姉妹都市透明化法は、こうした提携に必要不可欠な監督と説明責任をもたらし、これらが中共やその他の外国の敵対勢力の戦略的野心ではなく、米国民の利益にかなうものとなるよう確保するものだ」

ロイ議員事務所の説明によると、本法案は会計検査院(GAO)の長である会計検査院長に対し「公共部門に重大な腐敗がある」と見なされる国々(ロシアおよび中国を含む)の自治体との姉妹都市提携について調査を実施するよう指示する。法案の文言によれば、トランスペアレンシー・インターナショナルの2019年腐敗認識指数で45点以下のスコアであった国々が、調査対象として特定される。

中国の同指数のスコアは、2019年版で41点、2025年版で43点であった。

調査では、外国の自治体が米国の地域社会を姉妹都市提携の相手としてどのように選定しているか、特定の経済活動や人口統計学的要因がその決定に影響を及ぼしているかどうかを明らかにする。また、これらの提携で行われている活動とその経済的・教育的成果を分析し、契約に関する詳細を含めどのような情報が公開されているかを精査するとともに、米国の地域社会が提携の中で「表現の自由を保護」し「外国によるスパイ活動や経済的威圧」などのリスクをどのように軽減しているかを点検する。

法案によると、調査ではさらに、これらの提携が米国の地域社会を「悪意ある市場慣行に脆弱な状態」にさらしうる経済的取り決めや「表現の自由を損なう」可能性のある教育的取り決めを含んでいないかを調べる。加えて、地元の商業、教育、政治の各機関に対する外国からのアクセスの範囲、また外国の関係者が米国の経済的・国家安全保障上の利益に反する「戦略的目標」を達成しうるかどうかを評価する。

法案によれば、調査ではまた、こうした提携が「人権侵害、学術・産業スパイ活動」などのより広範な外国の悪意ある活動と結びついていないか、また米国の地域社会がこれらに関連するビザプログラムの悪用をどのように防ぎうるかも検証する。

会計検査院長は調査開始から6か月以内に、上下両院の軍事委員会、外交委員会など計6つの議会委員会に報告書を提出する。報告書には調査結果、結論、提言、必要に応じて機密扱いの付属文書を含めることとされている。

ロイ議員事務所は声明で「中国共産党は、国際的な提携関係を悪用して影響力を拡大し、情報を収集し、政治的圧力を行使する手口を繰り返し示してきた。孔子学院をめぐって指摘された懸念と同様に、姉妹都市関係は米国の地域社会にとって、外国によるスパイ活動、経済的威圧、イデオロギー的影響工作への脆弱性を生み出しかねない」と指摘した。

上院では2025年4月、マーシャ・ブラックバーン議員(共和党、テネシー州)とトム・ティリス議員(共和党、ノースカロライナ州)が同種の法案(S.1351)を提出している。

ブラックバーン議員は当時の声明で「共産中国は自らの戦略的目標を達成するために姉妹都市提携を悪用しており、米国は自国の地域社会の中でその活動を許してしまっていないか、必ず確認しなければならない」と述べ「この法案は、こうした提携に強い光を当て、敵対勢力が自らの危険な思惑を推し進めるのを阻むためのものだ」と強調した。

台湾在住のジャーナリスト。米国、中国、台湾のニュースを担当。台湾の国立清華大学で材料工学の修士号を取得。
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