米国のジョー・バイデン大統領が大統領選からの撤退を表明した。この発表は市場に動揺を引き起こし、安全資産への需要が高まり、ドルは下落し、金価格が上昇した。7月22日の早朝、アジア太平洋地域の株式市場は広範に下落した。
バイデン大統領は任期を全うし、副大統領のカマラ・ハリス氏を民主党の大統領候補として支持する意向を示した。現在、複数の民主党州知事、州党代表、国会議員がハリス氏を支持する意向を表明しているが、ハリス氏が来月の民主党全国大会で正式に指名されるかどうかはまだ確定していない。
米国大統領選挙の不確実性が増し、安全資産への需要が増加している。これにより、金現物はアジアの早朝取引で一時的に1オンスあたり2410ドル(約37万7181円)を突破、強い上昇を見せた。
世論調査によると、トランプ氏が現在の米大統領選挙のリーダーとなっている。7月13日、トランプ氏はペンシルベニア州での集会中の銃撃事件で負傷したが、その後、支持率が急上昇している。
市場は、連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和政策に転じる可能性があると予想しており、これも金価格を支える要因となっている。先週、金価格は歴史的な高値を記録した。
バイデン大統領の再選撤退発表後、アジア太平洋地域の株式市場は7月22日に下落し、ブルームバーグ・ドル・スポット指数(主要10通貨に対するドルの動きを示す指数)も0.2%下落した。
IG証券(IG Markets)のアナリスト、ヘベ・チェン氏は「2週連続で大きなサプライズに直面し、アジア市場は厳しい試練に直面するだろう」と述べた。
チェン氏はさらに「投資家が新しい政治的背景を消化する中で、安全資産への需要が急増し、前週よりもアジア株式市場に深刻な打撃を与える可能性がある。外国為替市場も大きな圧力を感じるだろう」と語った。
商品市場では、22日の早朝取引で石油の価格も上昇した。
MSCIアジア太平洋(日本除く)指数は先週3%下落した後、22日も1.0%下落した。日本の日経225指数は1.1%下落し、韓国のKOSPI指数も1.5%下落した。台湾も困難な取引日を迎え、約2.4%下落した。
22日には、グーグルの親会社であるアルファベット(Alphabet)とテスラが決算を発表する予定である。アナリストは、テスラのロボット計画の進展について質問する可能性があり、投資家はアルファベットのAIを利用した収益向上の詳細を掘り下げるだろう。
22日、中国人民銀行の予想外の利下げはほとんど株式市場に影響を与えなかった。人民銀行は7日物リバースレポ金利を1.8%から1.7%に引き下げ、同月の1年物と5年物の貸出市場金利(LPR)も10ベーシスポイント引き下げた。
しかし、市場はこれに満足せず、上海/深セン300指数(浮動株時価総額加重平均指数。上海またはシンセン証券取引所上場のA株、300銘柄で構成される)は早朝取引で一時0.8%下落した。
フランス外貿銀行アジア太平洋地域シニアエコノミストの呉卓殷氏は「基本的にすべてのファンダメンタルズが、中国にはより低い金利環境が必要であることを示している。特にこのデフレーション環境では、実質金利は非常に高い」と述べた。
呉氏は「この動きは経済があまり良くないという事実と非常に一致している」と語った。
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