ハリス氏が経済政策を初公表、税控除や住宅建設など物価対応に焦点

2024/08/17 更新: 2024/08/17

[ローリー(米ノースカロライナ州) 16日 ロイター] – 米大統領選の民主党候補ハリス副大統領は16日、ノースカロライナ州ローリーで演説し、新たな児童税額控除、企業による価格つり上げの禁止、手頃な価格の新規住宅建設といった経済政策を公表した。

ハリス氏が民主党候補として具体的な経済政策を示す演説を行うのは初めて。

演説では、乳児を持つ家庭への最大6000ドルの新たな児童税額控除や子どもがいる家庭を対象とした減税のほか、薬価引き下げを公約した。

また、4年間での300万戸の新規住宅建設や、初めての住宅購入者向けに物件を建設する業者を対象とする税制優遇措置、こうした購入者への最大2万5000ドルの支給を呼びかけた。

ハリス氏は、米経済は堅調だが物価は依然として高すぎるとし、中間層に焦点を当てると表明。「私たちは共に『機会の経済(opportunity economy)』を築いていく」と述べ、「中間層の構築は私の大統領としての明確な目標だ」と語った。

ハリス氏の経済政策には食料品価格のつり上げ禁止も含まれており、同氏の陣営は、大企業が過剰な利益を上げながら消費者を不当に搾取するのを阻止するのが目的だとしている。

医療費の引き下げや医療負債の帳消しを推進するとしているほか、年収40万ドル以下の国民に増税しないというバイデン氏の公約を維持する。

経済政策の詳細は、今後数週間で明らかにすると述べた。

ハリス氏は、関税や税制を中心とした経済的価値観を巡り、共和党候補のトランプ前大統領と対照的な立場を強調したい考え。トランプ氏は輸入品に全面的な関税を課すことを提案しているが、ハリス氏はこれを否定している。

トランプ氏の経済顧問は16日の電話会見で、ハリス氏の政策はインフレを加速させ経済にダメージを与えると批判。初めての住宅購入者に最大2万5000ドル支給する案は住宅価格をつり上げるとの見方を示した。

超党派の「責任ある連邦予算委員会」はハリス氏の経済計画について、10年間で財政赤字が正味1兆7000億ドル増加すると推計し、一時的な住宅政策が恒久化されればその額は2兆ドルに膨れ上がる可能性があると指摘した。

Reuters
関連特集: アメリカ政治