最近、中国貴州省畢節市金沙県で、先祖から受け継いだ葬儀(土葬)の伝統を守るため、村民たちが「火葬反対運動」を巻き起こしている。
現地では連日のように抗議集会が開かれており、今月6日~10日にかけては「3件の土葬」に成功している。
土葬を行う際は、「火葬推進」の政府がよこす手先に邪魔されないよう、大勢の村民が集結して儀式を見守り、「護送」した。そのため、現地当局は過去のように遺体を強奪することはしなかったという。
集結する村民の数が約千人とあまりに多いため、「本当は鎮圧したい」現地当局は抵抗をあきらめて、今回ばかりは「見守る」しかない事態になったことで、SNSでは「民衆側の勝利」として歓声が上がっている。
(村の土葬儀式を見守り、「護送」する約千人の村民たち、中国貴州省畢節市金沙県、2024年9月)
背景
省内人口における少数民族の割合がもっとも高い省として有名な貴州省。ここでは政府が財政収入を増やすために「村民に墓地を買わせる政策」を打ち出しており、「遺体は火葬し、その遺骨や遺灰は指定する共同墓地に埋葬せよ」と命じている。
しかし、「先祖から受け継いだ葬儀(土葬)の伝統を守る」ため、そして「高い共同墓地を買うお金もない」といった理由で、政府の要求を拒んできた村民は多い。
そのため、過去にも村民が「火葬を強要する」当局に立ち向かう抗議事件がたびたび起きている。
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