河南省鄭州市の公立病院が、患者の手術箇所でもない部位を「勝手に切開した」ことがわかった。
今月16日、4歳女児が地元の「新鄭人民医院」で、右目の「囊腫切除手術」を受けた。しかし、手術室から出てきた時には両目に包帯が巻かれていたという。
異変に気付いた家族が聞けば、担当医は「右目の手術を終えた後、左目にも囊腫があることを発見したから、まとめて切った」というのだ。
「いくら左目に異常を発見したからって、家族に一声もかけずに、勝手に切開するか?」と女児の家族は憤慨し、
「本当は左右を間違えて手術をしたのではないか」
とすら疑っている。
いっぽう、病院側は「医師は親切心からそうしたのかもしれない」と主張している。病院のこの回答に対して、
「本当に親切心?」
「片目の手術と両目の手術では値段が違うだろう! 片目の料金で両方やってくれるわけない」
「何が親切心だ、手術するのは家族のサインが必要だ、絶対左右を間違えたんだ」
「下手な言い訳」
と反論の声も多い。
女児の父親の張さんは、中国メディアに対し、
「娘が入院して以来、左目は何の検査も受けていない、左目に囊腫があるとも見えなかった」
「家族の許可もなしに勝手に本来の手術箇所でもない方の目を切開したのは、本当は左右を間違えて手術をしたのではないか」
と訴えている。
よくある「医療事故」?
今年3月にも、広西省白色市の病院が「17歳の高校生の骨瘤(こつりゅう)ができた左膝ではなく、全く健康な「右膝」のほうの組織を切除してしまった」ことがわかった。
中国のネット上にはがん患者が「病院が健康な部位を切除した」あるいは「健康な部位まで(がん治療用の)放射線を当てられてしまった」と訴える投稿をしばしば見かける。世論の注目を集められない場合、大抵は「どこへ訴えても相手にされない」というのが結末である。
現代の中国では、「問題を解決したければ、世論に頼るしか道はない」が常識になりつつある。
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