現代中国において相手が「公権力」である場合、世論の注目を集められなければ、大抵は「どこへ訴えても相手にされない」どころか、「口封じ」に遭う、という結末に終わる。
そのため、中国では、「問題を解決したければ、世論に頼るしか道はない」が常識になりつつある。
パトカーに轢かれた女子大生
「女子大生がパトカーに轢かれて亡くなったが、公安当局は現場の動画を提供しない」
14日、中国・北京市にある「北京中央財経大学」の多くの学生はウェイボー(微博)や小紅書(RED)など中国SNSにそのように投稿した。学生たちはパトカーに轢かれて亡くなったクラスメイトのための「正義」と、「真相究明」そして世論の注目を乞うていた。
しかし、学生たちによるネット上での懸命な呼びかけは空しく、まもなくすべて削除されたことがわかった。
学生たちによれば、事故が起きたのは11月13日午前8:32分、北京市にある朝陽区姚家園路(通り)と華文西路(通り)の合流箇所。その時、電動バイクを乗っていた「北京中央財経大学」の女子学生・周雨晨さんは転倒し、パトカーに轢かれ、死亡した。しかし、公安側は「技術的な原因により事故発生当時の現場の動画を提供できない」としているため、事故の責任を特定できず、遺族は訴える場もなく泣き寝入りしている。
「自分たちは遺族に頼まれて、こうしてSNSに事故のことを暴露し、世論の注目を乞うている」と学生たちはいう。
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