PFAS水質基準を義務化へ 2026年度から定期検査を実施 =環境省

2025/02/07 更新: 2025/02/07

環境省は6日、発がん性など健康リスクが指摘される有機フッ素化合物「PFAS」の水道水質基準を強化する方針を正式に決定した。2026年4月からPFOSとPFOAの2物質を対象に、3カ月に1回の定期検査を全国の水道事業者に義務付ける。現在の暫定目標値(1リットル当たり50ナノグラム)を基準値に格上げした。

新基準では、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA(ペルフルオロオクタン酸)の合計値で50ナノグラム(1ナノグラムは10億分の1グラム)を上限とする。環境省の調査では2023年度時点で、全国の水道水の98.2%がこの数値を下回っているが、一部地域で基準超過が確認されている。

検査頻度は原則3カ月に1回と定め、過去3年間の検査結果が基準値の50%以下(25ナノグラム未満)の場合に限り、年1回に緩和できる。

PFASは泡消火剤や食品包装材に広く使用されてきたが、分解されにくく環境中に残留する特性を持つ。国際がん研究機関(IARC)はPFOAを「発がん性あり」、PFOSを「発がん性の可能性あり」と分類している。

日本では2020年に暫定目標値を設定したが、法的拘束力がない「努力目標」だった。今回の改正で、米軍基地周辺など汚染が深刻な地域を含む全国44カ所で基準値超過が判明したことを受け、規制強化に踏み切った。

大紀元日本の記者。東京を拠点に活動。主に社会面を担当。その他、政治・経済等幅広く執筆。
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