2月27日、ホワイトハウスでアメリカのトランプ大統領とイギリスのスターマー首相は、共同記者会見を開催し、新しい米英貿易協定に向けて前進が確認され、関税免除の可能性が明らかになった。両首脳はウクライナ情勢やイスラエル・ハマス紛争にも言及し、国際的な協力と平和への新たな一歩を語った。
1.米英が貿易協定を締結へ。イギリスはアメリカの関税を免れる可能性がある
トランプ大統領は、「イギリスとアメリカは何らかの形で素晴らしい貿易協定を結ぶだろう」と述べた。
彼は、両国の特別な関係を称賛し、2度目のイギリス国賓訪問への招待が大きな栄誉であると述べた。
トランプ大統領は特に、チャーチル元英首相の胸像が自分の執務室に戻ったことに触れ、「今日の会談は、非常に生産的だった」と述べた。
彼は、スターマー首相が「非常に熱心に」説得したことを称賛し、イギリスがアメリカの関税を免れる可能性を示唆した。トランプ大統領は記者団に、「この2つの偉大で友好的な国に関しては、最終的に本当の貿易協定を結び、関税が不要になる可能性が非常に高いと思う。今後の様子を見守ろう」と語り、スターマー首相が昼食時に「懸命に働いている」と述べた。
「公平に言って、真剣に言って、非常に良い協定に達する可能性が高いと思う」とトランプ大統領は言った。
トランプ大統領の発言から、イギリスがアメリカの関税の影響を受ける可能性は、非常に低いとされている。英国とスターマー首相にとって大きな勝利となるだろう。トランプ氏は、イギリスに利益をもたらす貿易協定の締結を示唆した。
スターマー首相は、トランプ大統領との会談後、イギリスとアメリカが「先端技術を中心とした新たな経済協定の策定を開始する」と述べた。
「我々は数兆ドル規模のテクノロジー産業を持つ唯一の2つの西側諸国である」とスターマー首相は言った。「(我々は)人工知能分野のリーダーであり、同様のアプローチを取っている。我々は新技術を過度に規制せず、その機会を捉えている」
2.トランプ 米英は特別な関係にある
「(スターマー)首相と私は素晴らしいスタートを切った」とトランプ大統領は述べた。「アメリカとイギリスは特別な関係、非常に特別な関係にある……我々はこの状態を維持し続ける。我々はこの非常に強固な関係を維持し続ける」
トランプ大統領は、スターマー首相が非常に特別な首相であると述べた。
「あなたは非常に強硬な交渉人だ。私がそれを好むかどうかはわからないが、構わない」と彼は語った。
スターマー首相もまた、トランプ大統領との会談が良好で生産的だったと述べ、トランプ大統領が再度イギリスへの国賓訪問を受け入れたことを喜んでいると語った。
イギリス首相は、「世界中が本当に危険に直面している時期に、(英米の)この関係がかつてないほど重要だ」と述べ、両国が「依然として互いの第一の防衛パートナーである」と語り、「我々の関係ほど緊密な軍隊は他にない」と付け加えた。
「今日、我々は依然として肩を並べて立っており、現在の焦点は、ウクライナでの残虐な戦争を永続的に終結させることだ」と彼は述べた。
3.トランプ大統領はNATO第5条を支持
記者からの質問に対し、トランプ大統領はNATO第5条を支持すると述べた。
「私は、非常に成功した平和が得られ、それが長期的で永続的な平和になると考えている」と彼は言った。
第5条は、NATO加盟国のいずれかに対する攻撃を全加盟国への攻撃とみなし、NATO諸国は相互に援助すべきだと規定している。
スターマー首相は、トランプ大統領がヨーロッパは防衛にもっと投資する必要があると言ったのは正しいと述べ、「全力を尽くす」と言い、イギリスは防衛支出を増やしていると語った。
トランプは、イギリスが防衛支出をGDPの2.5%に増やす計画を称賛した。
4. 鉱物協定はウクライナとの「より持続可能な関係」の基礎を築く
28日、アメリカ側はホワイトハウスでウクライナのゼレンスキー大統領と鉱物協定に署名する。トランプ大統領は、この協定が「両国間のより持続可能な将来の関係の基礎を築く」と述べた。
トランプ大統領は、「これが長期的な繁栄を刺激する」とし、ウクライナの再建を助けると付け加えた。また、トランプ大統領はこの国が「破壊され」、現在のインフラが「非常に悪い状態」にあると述べた。
トランプ大統領は、ウクライナの「血なまぐさく恐ろしい戦争」は始まるべきではなかったと語り、プーチン大統領とゼレンスキー大統領と戦争終結について話し合ったとしている。
「私たちは大きな進展を遂げたと思う。進展はかなり急速だ。このために努力してくれた皆さんに感謝する。何が起こったかを伝える」
トランプ大統領はまた、28日ゼレンスキーと会談し、鉱物協定に署名すると述べた。彼は再びNATO諸国に防衛支出の増加を呼びかけた。
5.ロシア・ウクライナ戦争の停戦は、長期的な平和の基礎となる
トランプ大統領は、スターマー首相が会談中にウクライナの「血なまぐさく恐ろしい」戦争について最新情報を提供したと述べた。約100万人のウクライナ人とロシア人が無意味に殺害され、実際の数字はさらに多い可能性があると付け加えた。
大統領は、スターマー首相とのホワイトハウスでの会談で、ウクライナ戦争の停戦実現に向けた段階について議論したと述べた。彼は、ロシア・ウクライナ戦争の停戦が「長期的な平和協定」の基礎となると強調した。
「スターマー首相と話したように、次のステップは実現可能な停戦に向けて前進することだ。我々はこれをできるだけ早く実現したいと考えている」とトランプ大統領は述べた。
大統領は、戦争を終結させるために「常識的な」アプローチを取っており、両側が対話する必要があると述べた。
停戦について語る中で、トランプ大統領は「これが長期的な平和協定の基礎となり、東ヨーロッパの安定を回復し、ヨーロッパや他の地域で、このような恐ろしい戦争が二度と起こらないことを保証することが期待されている」と述べた。
スターマー首相は、トランプ大統領の「平和実現と殺戮停止」への取り組みを歓迎しつつ、「我々は物事を正しく行わなければならない。イギリスには第二次世界大戦後の有名なスローガンがあり、それは『我々は平和に勝たなければならない』です。これは今、我々がしなければならないことだ。なぜなら平和は侵略者に報いてはならず、イランのような危険な政権を、勇気づけてはいけないからだ」と語った。
スターマー首相は、二人が「力に裏打ちされ、プーチンが(戦争に)戻ってさらなる利益を求めることを阻止する」平和協定の計画について議論したと述べた。
6.ガザ問題
二人はイスラエル・ハマス紛争についても言及した。トランプ大統領は「我々は永続的な停戦の実現に向けて非常に懸命に取り組んでいる」と述べた。
スターマー首相は、停戦の継続を確保するために「あらゆる努力を尽くさなければならない」と強調し、「二国家解決策」(two-state solution)がこの地域の永続的な平和を実現する「唯一の道」であるというイギリスの一貫した立場を再確認した。
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