コメの相対取引価格2万6485円 単月の最高値を更新  

2025/03/19 更新: 2025/03/19

農林水産省が3月19日に発表した、2月のコメ相対取引価格は、全銘柄平均で玄米60キロあたり2万6485円となり、前年同月比で73%上昇した。これは6か月連続で過去最高額を更新しており、コメ市場で高騰が続いていることを示している。

相対取引数量は全銘柄合計で16万8千トンとなっている。

相対取引価格とは、卸売業者や農協(JA)と販売業者などが直接取引する際に決まる価格である。

農水省は2月に21万トンの備蓄米を放出すると発表したものの、価格高騰の歯止めにはならなかった。

政府は引き続き備蓄米の放出による流通の円滑化を図ろうとしており、3月10日には備蓄米15万トンの放出に向けた初の入札を実施。さらに26日には追加で7万トンの放出を予定している。これらの備蓄米は最短で3月末ごろに店頭に並ぶ見通しだ。

しかし、専門家からは「これらの措置による価格抑制効果は限定的」との指摘がある。背景には、長年の減反政策による生産量の減少や、流通の構造的な問題が影響していると考えられる。

江藤拓農林水産大臣は3月18日の閣議後の記者会見で、「消費者には価格高騰で苦労をかけていると思う。備蓄米は本日から引き渡しを始めたが、卸売業者を経由して店頭価格に反映されるまでには少し時間がかかる」と述べた。

今後、放出によってコメ価格が安定するかどうかが注目されている。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。
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