米議員 中共首相と会談 フェンタニルの対策求める

2025/03/26 更新: 2025/03/26

米国のスティーブ・デインズ上院議員は3月23日に北京で中国共産党(中共)の李強首相と会談し、その後のメディアの取材に対し、フェンタニル問題が解決しなければ他の問題について話し合う必要はないと明言した。

ブルームバーグニュースは2日、デインズ上院議員の発言を引用し、フェンタニル薬物問題が解決されるまで、米中両国が関税や非関税障壁について対話を行うのは難しいと報じている。

デインズ議員は、中共の当局者たちは米国の要求を明確に理解していると強調した。それは、フェンタニルの米国への流入を減少させるのではなく、完全に阻止することだ。

米国は最近、中国に対して2回連続で追加関税を課した。これは、中共がフェンタニルの米国への流入を阻止せず、多くの米国人の命を奪ったことへの制裁だ。

時事評論家の秦鵬氏は次のように述べている。
「トランプ政権にとって、フェンタニル問題は交渉の余地がない。まず、フェンタニルやその前駆体化学物質の販売を容認し奨励することは犯罪であり、最優先で解決すべきだ。さらに、トランプ氏の第一期政権時代に、習近平はトランプ氏にフェンタニル問題を解決すると約束した。トランプ氏は何度も警告を発し、2回の関税引き上げを行った。このような状況では、まず問題を解決し、その後で関税や他の問題について話し合うべきだ」

長年にわたり、米国は中共がフェンタニルの流入を推進し、容認していると非難し続け、その結果、多くの米国人の命が失われている。分析によれば、中共が問題解決を遅らせているのは、フェンタニルを利用して米国との交渉を有利に進めようとしているからだ。

米国のサウスカロライナ大学エイケン・ビジネススクールの謝田教授は次のように述べている。

「中共はこれらの企業がこの行動を取るよう扇動し、容認している。我々は中共が実際にはフェンタニルの前駆体化学物質や原料が製造企業に入ることを効果的に阻止できることを知っているが、中共はそれを望んでいない。フェンタニルを武器として使い、米国を攻撃し、貿易交渉の手段として利用している。米国は今回、明確に目標を達成しなければならない」

分析によれば、フェンタニルは米中間の交渉の次なるステップを推進する鍵となり、米国の強硬な姿勢は中共の立場を変える可能性を秘めている。次のステップでは、実際の貿易問題や関税、市場アクセス、知的財産権の窃盗、さらには地政学的な課題、パナマやグリーンランドに関する議題が次々と浮上するだろう。

米中の貿易障壁に関して、李強首相は23日に、中共は「正しいグローバル化」の道を歩み、多国間主義を実践し、貿易の困難に立ち向かうと宣言した。また、中共政府の顧問の一人も最近、ウォール・ストリート・ジャーナルに対し、中共は数十年前の日本の政策を模倣し、一部の商品の米国への輸出を制限することで、関税などの貿易障壁の影響を軽減することを検討していると明かした。

専門家たちは、これらの対応が全て無意味であると考えている。いわゆるグローバル化は、トランプ政権が必死に排除しようとしているものであり、日本の輸出制限を模倣することは、中国の体制が決定した実現不可能な戦略だ。

謝田教授は次のように述べている。

「第一に、米中間には信頼関係が存在しない。トランプ氏は中共政府を信用しておらず、前回の貿易戦争での約束も未だ履行されていない。さらに、米中間には長期的な戦略的敵対の傾向があり、この傾向はますます明らかになっている。中共が輸出を制限しようとしても、米国人はそれを策略と見なすだろう。中共が日本のやり方を学び、米国に進出して中国の自動車会社や工場を設立しようとしても、目的を達成することはできない。元々の目的は、中国で製造し、中国の安価な労働力を利用して米国のお金を稼ぐことだったのだ」

関連特集: 国際