国際 アプリを使用していない深夜でも「追跡」は続く

中国発アプリ「小紅書」 頻繫すぎるユーザーの位置情報収集 3日間で1.7万回の追跡も

2025/03/28 更新: 2025/03/28

中国製アプリによる情報収集は、かねてより問題視されてきた。米国で禁止の動きが広がる「TikTok」を筆頭に、多くのアプリがユーザーの位置情報や個人データを無断で取得していて、今回発覚した中国版インスタグラムとも呼ばれる「RED(小紅書・シャオホンシュー)」も、その異常な情報収集能力の危険性を改めて浮き彫りにした。

 

3日間で1.7万回も「追跡」

「REDはユーザーの個人情報を異常な頻度で取得していていた」と、複数のユーザーが報告した。

アプリを使用していない深夜でもその「追跡(ユーザーの位置情報や写真、クリップボードの内容などのデータを収集)」は続いており、なかには3日間で1.7万回も情報を収集されたユーザーもいた。

別のユーザーは、30日間で9.2万回ものアクセスが確認され、そのうち約7.1万回位置情報へのアクセスだったと言い、特に不審なのは、アプリを起動していない深夜帯にも高頻度で情報が取得されていたと言う点だ。

山東省済南市の張さんの場合、所有するスマホから3日間で1万5081回も位置情報を取得されていた。

「1時間に328回も位置情報を抜き取られていたという計算だ。まるで誰かに常に覗き見されているようで恐ろしい」と、後から張さんは恐怖感を述べた。

また、「RED」のコードには各種「バックドア」があることはかねてから指摘されており、安全性に関する懸念の声が絶えず、ユーザー情報の過剰取得は、以前から問題視されていて、苦情がSNSで多く寄せられ、関連投稿は7万件超に上っていた。

しかし、この問題について、RED側は「ユーザーが権限を許可している限り、バックグラウンドから情報を取得するのは正常な動作だ」と弁明しており、プライバシー侵害の懸念には一切触れず、具体的な対応策も示さなかったと言う。

これに対し、ネット上では、「データが丸裸にされている!」「即アンインストールした」などと、ユーザーの怒りと不安の声が相次いでいる。

中国政府は、国家安全維持を名目に、国内外のアプリを通じた情報収集を強化しており、RED以外にもTikTokやWeChat(微信)なども同様に個人情報を収集していることが指摘されている。

こうした中国発アプリによる情報収集は、単なる商業目的を超えた国家的な監視戦略の一環と考えられており、今後も中国系アプリ(ネットショッピングなど)の利用には慎重に対応をすべきだ。

利用者は安易にアプリに権限を許可せず、定期的なアクセス履歴の確認と不要アプリの削除を徹底する必要がある。

 

イメージ画像(Photo by ANNA KURTH/AFP via Getty Images)

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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