政府与党は9日、米国の関税による影響と物価高を考慮し、国民全員に対する現金給付を検討している。各種報道機関が報じた。
所得制限を設けず、1人あたり4万~5万円の給付を行う案が浮上しており、財源確保のために今年度の補正予算案を編成し、6月の国会会期末までの成立を目指すとされている。
自民の森山幹事長が8日、首相公邸を訪れ、石破首相に給付の検討を求めたとされる。
また、生活困窮世帯への子ども1人あたり5万円の給付案も検討されているが、自民党内では意見が分かれており、調整が続いている。
野党からは、一時的な給付よりも、消費税減税や公共料金の抑制などの恒久的対策を主張している。
参院選を前に、与野党双方で国民生活の支援を目的とした歳出拡大の動きが強まっており、今回の現金給付案も参院選を見据えた動きがあると見られる。
一律給付金は効果は?
一律給付金は、所得審査がないため、迅速に給付できる。一定の割合で消費に回ることが多く、短期的な景気刺激策としては有効とみられる。
しかし、所得が高い人にも給付されるため「無駄な支出」と批判されることもあり、結果として、困窮者支援としての効果は薄まる可能性がある。
高所得者や将来不安が強い層は、貯蓄に回してしまうことも多いため、経済波及効果としては限定的だ。
実際、2020年の「特別定額給付金(10万円)」は、約30〜40%が「消費に使われた」とする分析もあるが、かなりの部分が貯蓄に回ったというデータもある。
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