国際 食事していたわずか30分の間でバス内の荷物「全部持っていかれた」 数百万円の損失か

「まさかの全滅」 イタリアで中国観光団が窃盗被害【動画あり】

2025/07/09 更新: 2025/07/11

7月3日、イタリアを旅行していた中国ツアー団体が乗っていた大型バスが、停車中に狙われ、乗客全員の荷物が根こそぎ盗まれる事件が発生した。旅行者の証言によると、わずか30分の食事中に大規模な盗難が行われ、被害総額は数十万元(数百万円)にのぼると見られる。

被害を受けたツアーは、30人ほどの団体で、イタリアの観光名所・ピサの斜塔を見学した後、郊外のレストランで昼食をとっていた。バスは店の前に停車し、観光客とガイド、運転手の全員が店内に入っている間に、バスのドアがこじ開けられ、乗客全員の荷物が盗まれたという。

 

画像(左)の左下の矢印箇所はレストランの場所、中央の矢印はバスを停めた場所。こじ開けられたのは画像(右)の矢印箇所のドア(スクリーンショット)

 

現場の様子を撮影した窃盗被害者の一人・金さんは、「想像もしなかった手口。テレビドラマみたいなことが現実に起きた」と語った。事前に盗難への警戒はしており、防犯バッグを用意し、ガイドからも「貴重品は必ず身につけて」と注意されていたが、まさかバスごと狙われるとは想定外だったという。

金さんによれば、自身の身分証、銀行カード、現金、充電器、洗面道具、さらには車のキーまで全て盗まれ、個人での被害額は約2万元(約40万円)にのぼったという。さらに、他のツアー参加者の中には、高額なブランド品をまとめて失った人もおり、ツアー全体での損害は数十万元(数百万円)に達するとみられている。幸い、パスポートは全員分ガイドが預かっていたため、盗難を免れた。

 

(窃盗被害発覚後の様子)

 

事件後、ツアー客の多くが意気消沈し、「もう遊ぶ気になれない」と話す人もいた。ガイドも「10年やっていて初めての経験」と声を詰まらせた。ツアーはフランス、スイス、ドイツ、イタリアの4か国を巡るもので、イタリアは最終訪問地だった。最終日の予定は一応こなし、7月7日に全員が帰国したが、誰もが暗い表情を浮かべていたという。

旅行会社は現在、参加者それぞれの被害状況を確認し、保険会社と補償について交渉中だが、補償の可否や金額についてはまだ明らかにされていない。ツアー費用は、1人あたり2万元超(40万円以上)だったという。

海外旅行に窃盗のトラブルはよくあることだが、今回のように「バスごと狙われる」事件は異例である。異国での油断は命取りになりかねない。想定外の事態に備える防犯意識が、ますます求められている。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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