アメリカのドナルド・トランプ大統領は13日、連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長に対し、利下げを強く求めるとともに、議長職からの辞任を望む考えを改めて表明した。トランプ大統領は記者団に対し、「アメリカは地球上で最も低い金利であるべきなのに、そうなっていない。彼(パウエル議長)がそれを拒否しているだけだ」と述べ、FRBが利下げを行わない現状に強い不満を示した。NHKなどが報じた。
トランプ大統領はこれまでもパウエル議長の金融政策運営に対して批判を繰り返してきた。特に、他国と比較してアメリカの金利が高いことが経済成長の妨げになっていると主張しており、「FRBは直ちに金利を引き下げるべきだ」と強調している。また、パウエル議長に対して「辞任すればアメリカにとって素晴らしいことだ」と述べ、議長職からの退任を繰り返し求めている。
一方、FRBのパウエル議長は、金利政策について「経済の動向を慎重に見極めた上で判断する」との立場を崩していない。パウエル議長は議会証言などで、インフレの動向やトランプ政権による関税政策の影響を注視しながら、拙速な利下げには慎重な姿勢を示している。
なお、FRB議長の任期は2026年5月までとされており、大統領が議長を直接解任する権限はないとされる。パウエル議長自身も、これまでに「大統領から辞任を求められても応じない」との考えを明らかにしている。
今回の発言は、トランプ大統領が一貫して主張してきた金融緩和政策への圧力を再び強めた形だ。
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