アメリカの航空機メーカー、ボーイング社の最高経営責任者(CEO)、ケリー・オートバーグ氏は、7月29日、737 Maxシリーズの新型2機種の納入がさらに遅れ、2026年になる見通しであることを正式に発表した。
納入が遅れているのは「737 Max 7」と「737 Max 10」という機種であり、特にMax 7は、当初2022年に認証を受ける予定であった。しかし、エンジンに取り付けられている「防氷システム」に問題があることが判明し、いまだに解決されていない状況である。
防氷システムとは、寒冷地や高高度で飛行する際に、エンジンが氷で覆われるのを防ぐための安全装置である。この装置が正常に作動しない場合、エンジンの過熱による破損や、部品の飛散によって機体に損傷を与える危険があるとされている。
アメリカの航空当局であるFAA(連邦航空局)は、2023年にこの問題について公式に警告を出していた。ボーイングは当初、「この故障は極めてまれである」として、特別な対応を免除するよう申請を行っていたが、2024年1月に発生したアラスカ航空の事故を受けて、この申請を撤回した。
オートバーグCEOは電話会議において、「この問題の解決には想定以上の時間がかかっており、現時点では認証取得は2026年になる見込みである」と述べている。現在、ボーイングは防氷システムの設計見直しを含む技術的な対策を進めており、改善作業に取り組んでいると説明している。
また、アイルランドの格安航空会社ライアンエアのCEO、マイケル・オリリー氏によれば、ボーイングからの公式連絡として、「最初の737 Max 10の納入は2027年春になる」と伝えられたという。
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