OPEC+再び大幅増産 原油市場のシェア回復へ

2025/08/04 更新: 2025/08/04

OPEC+(オペックプラス 石油輸出国機構と非加盟産油国)は2025年9月に日量54.7万バレルという大幅増産することを決定し、市場シェア奪還に動いている。減産継続からの大転換となり、原油価格や需給バランス、世界経済への影響が注目されている。

OPEC+は3日、9月に大幅な増産を行い、これまで続けてきた減産措置を終了し、市場シェアを奪い返す方針を固めた。ただし、世界の石油市場が深刻な供給過剰の傾向にある現状も考慮し、将来的に政策修正の余地を残す意向も示した。

この日、OPEC+の8加盟国はビデオ会議を開き、9月に日量54.7万バレルの増産を決定した。この決定により、OPEC+は2023年に開始した最大規模の減産(1日あたり220万バレル)を解消し始めた。さらに、加盟国の一つであるアラブ首長国連邦(UAE)は、段階的に追加増産を行う方針も示した。

アメリカがインドに対してロシア産石油の購入停止を強く求めている最中、OPEC+の8加盟国は今回の会議を開催した。アメリカ政府は、ロシアとウクライナの和平合意を促すために、この措置を実行している。トランプ大統領は「8月8日までにロシア・ウクライナ間の停戦を実現させたい」と発言した。

OPEC+は会議後の声明で、今回の増産決定に関し、経済の健全性と石油在庫が低水準であることを主要な理由として挙げた。

現在、OPEC+は増産を進めているが、原油価格は高値圏を維持している。ブレント原油は8月1日に1バレル約70ドルで取引を終え、4月の最安値である約58ドルから上昇した。この背景には季節的な需要増加がある。

エネルギーコンサルタント会社「Energy Aspects」の共同創業者アムリタ・セン氏は、「原油価格が70ドル前後の強い水準を維持していることが、OPEC+に市場ファンダメンタルズへの確信を与えている」と分析し、在庫逼迫の兆候が市場構造にも現れていると付け加えた。

OPEC+は23か国で構成され、石油輸出国機構「OPEC」の13加盟国に加え、ロシアやカザフスタンなど10の非OPEC産油国が参加している。

このグループの石油生産量は世界全体の約半分を占め、近年は減産によって原油価格を支えてきた。しかし今年、OPEC+は市場シェアの奪還を目指し政策転換を行っている。背景にはトランプ大統領がOPECに増産を求めていることがある。

OPEC+は4月に増産を開始し、日量13.8万バレルの小幅な増産から始めたが、5月には41.1万バレル、6月と7月にはそれぞれ追加増産を行った。8月には54.8万バレル、9月には54.7万バレルの増産を予定している。

李馨
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