中国共産党が盛んに放映する抗日映画。その背後には長年隠蔽・歪曲されてきた歴史的事実が存在している。本記事では、抗日プロパガンダの目的や六つの核心的真実に迫る。
抗日映画「南京写真館」に続き、中共当局は9月3日の「抗日戦争勝利80周年を記念」大規模軍事パレード前後に、意図的に抗日戦争に関する新作映画を公開した。具体的には以下の通りである。
8月8日に「東極島」を公開し、8月15日(日本の無条件降伏発表日)には「山河為証」と「坪石先生」を上映、9月3日(中華民国政府が抗戦勝利を宣言した日)には「營救飛虎」、9月18日(満州事変記念日)には「731」を上映する予定。
これらの映画公開は文化的な催しではなく、明らかに政治的な意図を含むプロパガンダである。中共は歴史を政権安定のための道具とし、国民に経済悪化や社会競争の激化、数千万人規模の失業問題から目を逸らさせようとしている。
しかし、この「抗日主流作品」の裏には、中共が長年隠蔽または歪曲してきた六つの歴史的事実が存在する。これらの真実が広く知られれば、中国国民が抱く抗日戦争に対する認識は根底から覆され、中共存在の正当性さえ揺らぐことになる。
ここでは、その六つの真実を明らかにする。
1. 毛沢東と日本軍 歴史の裏面
中共は自らを抗日戦争の主役と自賛しているが、事実は正反対である。1937年、中国で全面抗日戦争が始まった初期段階で当時の中共党首毛沢東はスパイの潘漢年を日本の特務機関、岩井公館や梅機関(影佐機関)に送り込み、直接接触させた。潘漢年は毛沢東直筆の親書を携えて日本軍の信頼を得ようとした。
岩井英一の回想録「回想の上海」には、中共が国民党との合作で得た国民党軍の情報を日本軍に提供し、国民党を弱体化させて自らの利益を図った経緯が記されている。これは中国にとって抗日ではなく、売国行為である。
抗日戦争期間中、中共は日本軍との直接衝突を避け、逆に日本軍の存在を利用して国民党軍を攻撃し、自勢力を拡大した。毛沢東は「七分発展、二分摩擦、一分抗日」という方針を掲げていた。
中共が誇る抗日戦争の戦績としては、「平型関大捷」と「百団大戦」の二つがあるが、前者は数百人規模の日本軍補給部隊を攻撃した小規模な戦闘に過ぎず、後者は彭徳懐が毛沢東の許可なく日本軍と戦ったことで処分を受けた事件である。
2. 毛沢東は六度にわたり日本に感謝した
毛沢東は日本の行為を憎んでいたわけではなく、むしろ日本軍の存在に対して公然と感謝の意を示していた。1945年、延安で日本人捕虜と面会した際、毛沢東は「我々は日本帝国主義に感謝すべきである。日本が侵略しなければ我々は発展できず、中国を掌握することもできなかった」と述べた(「毛沢東文集」第4巻より)。
さらに、内部談話でも「抗日戦争の8年間が我々に二度とない発展の機会を与えた」「日本帝国主義が蒋介石を打倒させてくれた」と語り、抗日戦争を国家救済ではなく、自らの権力掌握の手段と見なしていたことが明らかである。
3. 日本の謝罪と中国への巨額援助
中共は「日本が罪を認めず、謝罪もしない」と宣伝し、反日感情を煽ってきた。
しかし事実は異なる。1972年の日中国交樹立時、毛沢東と周恩来は日本に対する戦争賠償請求を正式に放棄し、「日中共同声明」第5項にその旨を明記した。
以降、日本政府は十数回にわたり公に謝罪していた。1995年の村山富市首相による「村山談話」では、「過去の植民地支配と侵略がアジア諸国に甚大な被害と苦痛をもたらしたことに対し、深い反省と心からのお詫び」を表明した。
この談話は内閣決議としても採択され、その後も小泉純一郎、鳩山由紀夫、岸田文雄ら歴代首相が同様の発言を繰り返している。2010年には鳩山由紀夫首相が南京大虐殺記念館を訪問し、遺族に直接謝罪の意を伝え、「言葉に尽くし難いほどの恥ずかしさ」と述べた。
4. 日本、中国に3200億元超を長期援助 政治的条件は一切付帯せず
日本は謝罪だけでなく、30年以上にわたり中国へ経済援助を実施してきた。1979年以降、日本政府は政府開発援助(ODA)を通じて巨額の支援を行い、その内容は無償資金協力、低利子融資、技術協力を含んでいる。
この援助は、中国の工業、交通、環境保護、エネルギー、基礎インフラ建設といった現代化の重要分野を幅広く支えてきた。具体的には、北京の首都空港T2ターミナルビル、日中友好病院、秦山原子力発電所、黄浦江洪水防止工事、宝鋼一期プロジェクト(中国鉄鋼工業の基盤構築)、上海メトロ1号線(中国初の地下鉄)、北京の下水処理場、成都の高速道路などが含まれる。
しかし、中共はこれらの事実を国民に公に知らせることなく、逆に反日感情を煽り、恩を仇で返している。
5. 中共は反日感情を巧みに操作し、国内の矛盾を他国に転嫁して政権の安定を図る
抗日映画の氾濫も偶然ではなく、中共が国内で危機に直面するたびに民衆の不満をそらすための常套手段である。
1997年から1999年にかけてアジア金融危機が発生し、多くの国有企業が倒産した。失業者が増加し、社会的信頼も崩壊した。このような状況下で、中共は「スケープゴート」として日本を利用し、民衆の怒りを外に向けさせた。2008年の北京オリンピック以降、中国の台頭による野心は社会不安を助長し、反日感情は民族感情を解放する「安全弁」として利用された。同時に、対外拡張の口実としても使われた。
2012年、中国共産党は尖閣諸島問題を意図的に拡大し、南シナ海で「黄岩島事件」を引き起こして世論を煽った。当時、党内では薄熙来事件をはじめとする激しい権力闘争が進行していた。
現在も数百万人の大学生が就職先を見つけられず、経済低迷が続く中で、中共は再び反日ナラティブを展開し、抗日映画の集中上映を計画している。「お馴染みのシナリオ、お馴染みの味」である。
6. 靖国神社参拝についても、中共は意図的に真実を歪曲している
靖国神社には明治維新以降、約250万人の戦没者が祀られており、第二次世界大戦の戦士だけでなく多くの一般兵士も含まれている。A級戦犯14名も合祀されているが、参拝者の大多数は戦没者への追悼を目的としており、軍国主義復活を望んでいるわけではない。
しかし、中共は靖国神社を「軍国主義の象徴」として描写し、参拝のたびに「日本の復讐心」や「軍国主義復活」を叫び、世論を誘導している。その理由の一つは、靖国神社がすべての戦争における戦死者の死亡地を記録しているため、他の戦死者と比べて中共軍による戦死者が圧倒的に少なく、わずか850人余りであることを明らかにされたくないからだ。
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