トランプ氏 インテルCEO辞任要求「中国との利益相反」指摘

2025/08/08 更新: 2025/08/08

アメリカのトランプ大統領は8月7日、インテルのリップブー・タンCEOに対し即刻辞任を求めた。背景には、タン氏が中国企業と関係を持つとの報道がある。

トランプ大統領は「トゥルース・ソーシャル(Truth Social)」に投稿し、「インテルCEOには深刻な利益相反が存在し、直ちに辞任しなければならない。この問題に他の解決策はない」と述べた。

前日の8月6日、アーカンソー州選出の共和党上院議員トム・コットン(Tom Cotton)氏は、インテルに対しリップブー・タン氏と中国共産党(中共)との関係について説明を要求し、同社がアメリカ国家安全保障に潜在的なリスクをもたらしている可能性を指摘した。

ロイター通信によれば、コットン議員は6日付でインテルのフランク・イェリー(Frank Yeary)会長宛に書簡を送り、報道を引用しながら、タン氏が個人および複数のベンチャーキャピタル・ファンドを通じて数百社の中国企業に投資しており、その一部が中国共産党軍部と関係を持つことを指摘した。投資総額は2012年から2024年の間で少なくとも2億ドルに達するとされる。

関係者によると、タン氏は一部の中国資本から撤退したが、その詳細は明らかにしていない。ロイターが中国のデータベースを調査したところ、タン氏名義の投資の多くは依然として活動中であり、撤退の範囲は不明である。

コットン議員はまた、SNS「X」で「インテルの新CEOは中共と深い関係を持つと報じられている。インテル取締役会は議会に説明すべきだ」と投稿した。

書簡によれば、タン氏は長年ケイデンス・デザイン・システムズ(Cadence Design Systems Inc., 楷登電子)のCEOを務めてきた。同社は今年7月、アメリカの輸出規制違反を認め、中共傘下の「国防科技大学」にハードウェアとソフトウェアを販売した事実を司法省との有罪答弁協定で認めた。

タン氏は2008年から2021年までケイデンス社のCEOを務め、2023年5月までエグゼクティブ・チェアマンを務めた。

タン氏はマレーシア出身で、南洋理工大学の学士号、MITの修士号、サンフランシスコ大学のMBAを取得している。

コットン議員は書簡の中で、インテルが「チップおよび科学法」に基づき約80億ドルの補助金を受給しており、これは単独企業として最大額であると指摘した。「インテルは納税者の資金を責任を持って使用し、安全規制を順守しなければならない。タン氏の関係は、彼がこれらの義務を果たす能力に影響する可能性がある」と述べた。

インテルは6日に声明を出し、「インテルとリップブー・タンは米国の国家安全保障の維持に全力を尽くしており、米国防衛システムにおける役割と誠実性を確保するため努力している」と主張した。また、同社は書簡で示された事項についてコットン議員と協議を続ける意向を表明した。

7日、インテルの株価はニューヨーク時間プレマーケット取引で一時約5%下落した。

李言