中国四川省西部、標高3,000メートルの草原と雪山が広がる川西高原。ここで長らく観光客を震え上がらせてきた「最凶の窃盗犯」が、ついに御用となった。
犯人はリスの仲間であるマーモット。これまで車の鍵や高級カメラ、スマートフォンなどを奪い去り、その「戦利品」は枚挙にいとまがない。
(赤いロープで身柄を確保された“最凶窃盗犯”)
逮捕劇の幕が上がったのは8月2日、理塘県だった。観光客の車の鍵を堂々とくわえて穴に逃げ込んだマーモットに、地元村民総出の大捜索が展開された。しかし鍵は見つからず。幸い車の主はスマホ連動で車を解錠できたため事なきを得たが、過去の犯行が次々と蒸し返されることになった。

(観光客の車の鍵を堂々とくわえ、穴へ逃げ込んだマーモットを地元村民が総出で捜索。2025年8月2日)
8月4日には、高価なカメラを奪われた若者が「おい、マーモット逃げるな! カメラ返せ!」と絶叫する映像がネットで拡散された。

(高価なカメラを奪われ、「おい、マーモット逃げるな!カメラ返せ!」と絶叫する若者。2025年8月4日)
前科はさらに遡る。7月にはブロガーのアクションカメラを強奪し、穴の奥深くへ隠匿。金属探知機まで投入するも空振りに終わった。2023年には観光客のiPhoneをそのまま持ち去るという、現場が一瞬静まり返るほど大胆な犯行も記録されている。
(観光客のカメラを強奪し、穴の奥深くに隠す瞬間のマーモット、2025年7月)
今回、赤いロープでつながれた「逮捕後」の姿が公開され、ネット上では「川西の治安は守られた」「これで安心して川西に行ける」といった冗談交じりのコメントが飛び交い、小さな捕物劇は大きな話題をさらっている。

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