中国 男子寮をホテル転用か 「名門の実態」に失望する声

中国名門大 女子寮に男子を入居 抗議の声は封殺

2025/09/04 更新: 2025/09/04

北京の名門・中国人民大学が、事前通知もなく女子寮に男子学生を入居させたことが明らかになり、波紋を広げている。ネット上で抗議の声を上げた学生は投稿を削除され、さらに大学側から呼び出しや圧力を受けるなど、強権的な姿勢に非難が集まっている。

複数の学生によると、今月から、女子専用だった学生寮が突然「男女共用寮」に変更された。ところが建物は老朽化しており、共有トイレや浴場の数が極端に足りていない。例えば、1フロアに200人が暮らしているのに、シャワー室はわずか8室しかなく、しかも夜間しか利用できない。そのため混雑時には、他の階までシャワーを探しに行かなければならない状況だ。女子学生たちは「これでは共同生活の環境が整っているとは言えない」と不満を漏らしている。

さらに男子学生の入居に伴い、消防通路が施錠されるなど重大な安全リスクも発生した。女子フロアに男子の保護者が出入りする姿も目撃され、生活上の不安が募っている。

背景には、男子寮をホテルに転用したとの疑惑が広がる。本来なら新キャンパスへの移転で空室は増えていたはずだが、「男子寮を外部向けホテル経営に回したため、男子を女子寮に押し込んだ」との見方が学生の間で強まっている。

女子学生の生活に多大な不便と安全リスクをもたらすような重大決定を、大学は正式な説明もなく秘密裏に進めたことも、学生からの非難の的となっている。だが抗議の投稿は相次いで削除され、呼びかけた女子学生は大学に呼び出された。「声を上げれば処分や卒業に響くと脅された」と証言する学生もいる。

ネット上では「女子寮に男子を入れるなんて誰が考えた」「安全面をどうするつもりだ」「名門大学でもこの有様か」と批判が殺到した。

名門の看板の裏で、利益優先と不透明な運営が学生の安全と生活を犠牲にしている現実が浮き彫りになった。

 

通知なしに女子寮へ男子を入居させたことに抗議する女子学生のSNS投稿。(スクリーンショット)
李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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