台湾・香港 中共の軍事パレードに専門家が警鐘

「侵略必敗」 台湾総統の訴え 海の向こうでは歴史捏造の茶番軍事パレード【動画あり】

2025/09/03 更新: 2025/09/03

台湾では、1945年の抗日戦争勝利を記念して9月3日を「軍人節」と定め、軍人の功績をたたえてきた。

この節目を前に、総統・頼清德(らい・せいとく)は「中共の威嚇は台湾の民主だけでなく、世界の自由秩序への挑戦だ」と警告した。

頼総統は9月2日、台北で開かれた「軍人節および全民国防教育日表彰大会」で演説し「明日は軍人節であり、この日は軍人だけのものではなく、自由と民主を大切にし、台湾を守るすべての国民にとっての記念日である」と述べた。そのうえで「現在の安全環境は過去のどの時期よりも厳しい」と強調した。

さらに頼総統は、戦争の歴史に触れ「最大の教訓は団結必勝、侵略必敗だ」と指摘。近年、中共が台海周辺で軍機や艦船の活動を強め、心理戦や情報戦を仕掛けているとし、「台湾の平和は実力による抑止の上に築かれる」と述べ、国防力の強化と国民の団結の必要性を訴えた。

 

式典の様子。2025年9月2日、台北。(映像よりスクリーンショット)

 

一方、中国では台湾の「軍人節」と同じ9月3日に大規模な軍事パレードを実施し、「抗日戦争勝利の記念」と称している。しかし国際社会からは滑稽な演出と映り、各国の専門家からも歴史の捏造を指摘する声が上がっている。

台湾・国立中山大学中国とアジア太平洋地域研究所の郭育仁(かく・いくじん)所長は「歴史的に見ても中共は抗日戦争に何の貢献もしていない。ただ戦争を利用して自らを大きく見せただけだ。日中戦争当時、中華民国は存在していたが、中華人民共和国はそもそも存在していなかった」と批判。さらに「巨額の金を軍事ショーに投じる一方で、経済や労働・社会問題は無視されている。こうした現実を中国の人々はどう受け止めるのか」と疑問を投げかけた。

学者の中には「中共の軍事パレードは茶番であると同時に、台湾を狙った戦略的な意図を秘めている」と警告する声もある。

台湾で対中政策を主管する大陸委員会の沈有忠(しん・ゆうちゅう)副主任委員も「今回の中国の軍事パレードでは台湾攻撃を念頭に設計された新兵器が数多く披露される。これは台湾に対する威嚇であると同時に、周辺国への威嚇でもある」と述べ、強い危機感を示した。

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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