国際 記憶の伝承と「沈黙しない」誓い

「忘れない、許さない」 香港「太子駅襲撃事件」から6年 カナダで追悼集会【動画あり】 

2025/09/06 更新: 2025/09/06

香港で起きた「太子駅襲撃事件」から6年を迎えた8月31日、カナダ・バンクーバーで事件の追悼集会が開かれた。

2019年当日、香港・九竜地区の地下鉄、太子(プリンス・エドワード)駅構内に暴動鎮圧用の警察部隊が突入し、市民を無差別攻撃。医療関係者の救助も妨害されたこの事件は、香港民主運動の転換点として記憶されている。しかし香港警察はいまだに詳細を明らかにせず、犠牲者数や真相は不透明なままである。

 

「太子駅襲撃事件」。事件当時の写真。(スクリーンショット)

(「太子駅襲撃事件」)

 

日曜日、バンクーバー市中心部の科学館広場で開かれた集会には、香港人を中心に多くの市民が参加した。参加者はロウソクを手に「香港を忘れない」と声を合わせ、事件の記憶を未来に伝える決意を示した。

主催団体の代表・Tabさんは「中国共産党は報道の自由や言論の自由を踏みにじってきた。カナダに暮らす我々も、浸透や干渉に警戒しなければならない」と訴えた。

 

主催団体の代表・Tabさん。本紙姉妹メディア「NTD新唐人テレビ」のインタビューに応じた。(スクリーンショット)

 

会場では中国共産党(中共)によるカナダ社会への浸透や干渉への批判も相次いだ。発言に立った香港人の一人は「我々は全世界に中共の残虐さと邪悪さを知らせなければならない。代償を払ってでも立ち向かう必要がある」と強調。別の参加者も「沈黙は加害者に力を与える。我々は真実を語り続ける責任がある」と語った。

 

市民に真相を伝える参加者たち。バンクーバー、2025年8月31日。(スクリーンショット)

 

香港から遠く離れたバンクーバーでの追悼集会は、過去を振り返るだけではない。参加者たちは「だからこそ海外にいる自分たちが声を上げ、世界に真実を広める役割を担わなければならない」と口を揃えた。

 

集会場に掲げられた「太子駅事件当時の写真」。(スクリーンショット)

 

自由を奪われ、故郷を去らざるを得なかった人々にとって、この集会は「まだ闘いは終わっていない」という無言の宣言でもあった。

 

会場に設置された「レノンウォール」に貼られた応援メッセージ。「香港加油(香港がんばれ)」などの言葉が並んだ。(スクリーンショット)
2019年9月6日、太子駅に集まり「8・31事件」の映像公開を警察に求める市民ら。(余剛/大紀元)
李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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