中国国民は中共高官たちのオンデマンドな臓器ドナーなのか 中国の病院で謎の突然死が頻発

2025/09/06 更新: 2025/09/06

中国は世界第2位の移植大国だ。2023年には、中国衛生省の黄潔夫次官が、中国共産党(中共)の臓器移植技術を「一帯一路」に参加しているより多くの国々に輸出すると発言した。9月3日の北京での軍事パレードでは、プーチン大統領が「人間の臓器は継続的に移植することができる。長生きすればするほど若くなり、不老不死さえも達成できる」と言ったことに対して、習近平が「今世紀中に人間は150歳まで生きられるようになるという予測がある」と発言したことが世界的な話題となった。

そうしたなか、広東省で起きたある事件が話題となっている。

34歳の女性が仏山の病院で内視鏡による軽い手術を受けた後、合併症によって脳死と診断され、数日後に死亡したのだ。仏山医学会の鑑定では「医療事故に該当しない」とされた。しかし、女性の遺族が抗議を続けた結果、広東省医学会の再鑑定で手術を行った病院に多数の不適切行為があったとされ、「一級甲等医療事故」に認定された。  

大陸メディアが9月4日に伝えたところによると、2024年10月29日、仏山在住の陸さんの妻は仏山第一人民医院で「子宮鏡下筋腫切除術」を受けたという。しかし手術後に水中毒の合併症が発生し、自発呼吸がなくなり、瞳孔が拡大して「脳死」と診断され、その後まもなく死亡した。  

陸さんは「こんな小さな手術で妻を死なせるなんて、そんなことが許されるのか」「ここは仏山で一番の三甲病院なのに、医療事故を認めようとしない」と語っている。  

仏山市衛健局は、病院が事故の主な責任を負うと認定し、警告と2万元の罰金処分を下した。関係医療従事者への行政処分は現在処理中だとしている。

しかし遺族はこの処分に不服を示し、「関係医師らを司法機関に移送し、刑事責任を追及すべきだ」と主張している。  

中国本土では、現在、こうした軽い手術後に脳死に至る事例が相次いでいるのだ。  

6月27日には、広東省湛江で3歳男児が広東医科大学附属病院で口蓋扁桃の微創手術を受けたが、術後に昏睡状態が続き、10日後に「脳死」と宣告された。家族は医療ミスを強く疑っているという。  

さらに今年3月には、広州汕頭の22歳女性が広東省第二人民医院で卵管の軽い手術を受けた後、回復室での医師の監督不備により重度の低酸素状態となり、同様に「脳死」と判定された。  

これらの患者の死は偶然発生した不幸な出来事なのだろうか。

こうした中国の不審死の裏には望んでいないのに強制的に臓器を奪われる「臓器狩り」という恐ろしい犯罪行為が潜んでいることが少なくない。

2024年5月、羅帥宇(ら・すいう)さんという一人の実習医が不審な死を遂げた。警察は「自殺」と発表したが、遺族は納得がいかなかったようだ。

羅さんは脳死した患者の臓器を移植臓器として利用する事態を調べていた。遺族は息子のパソコンやスマートフォンのデータを復元。

するとデータの中には恐るべき事実が保存されていた。遺族はデータの中から、ICUに搬送された患者を意図的に「脳死」と見なし、積極的な治療を行わずに臓器を摘出するという、病院での臓器移植の「闇」に関する記録を見つけたのだ。

またデータに記録されていた摘出対象には、健康な子供が多数含まれており、羅さんが収録していた音声データには「健康な児童を選別し、その臓器を高齢の元幹部に販売していた」との証言も記録されていた。

軍事パレードでの習近平の「今世紀中に人間は150歳まで生きられるようになるという予測がある」といった発言は全人類に向けられた言葉ではなく、臓器を奪われる被害者にとっては全く関係のない話かもしれない。

大道修
社会からライフ記事まで幅広く扱っています。
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