石破茂首相は7日、官邸で記者会見を開き、辞任の意向を正式に表明した。「臨時総裁選挙の手続きを実施するよう森山裕幹事長に伝えた」と語り、与党総裁選に向けた準備を進めるよう指示した。

辞任の理由とタイミング

最大の理由は参議院選挙で与党が敗北した責任を取るためで、「選挙直後から考えていた」と明かした。

また、発表のタイミングについては「極めて困難だった日米関税交渉に一定の目処がついた」と説明。交渉中に辞意を示すことは「国益を損なう」と判断し、発表を控えていたと語った。

辞任を決断した理由について「このまま臨時総裁選挙要求の意思確認に進めば、党内に決定的な分断を生みかねないと考えた。それは決して私の本意ではない」と説明した。

参院選後の8月以降、党内では退陣を求める声が強まっており、麻生太郎最高顧問、菅義偉副総裁、岸田前首相ら歴代総理経験者のほか、閣僚や政務官からも辞任を促す発言が相次いでいた。ただし、具体的な辞任日程や総裁選の実施時期については明言を避けた。

総裁選には不出馬

また次期総裁選への対応について石破首相は「きたる総裁選挙には出馬はいたしません」と明言し、自ら後継を担う意志がないことを明確にした。

後継者への期待

後継政権に望む政策として、日米関税措置に伴う国内対策の着実な実行、賃上げの流れを確実に定着させること、農政改革の推進を挙げ、「力強く進めてほしい」と期待を示した。