国家情報局創設へ首相指示 情報司令塔の体制強化進む

2025/10/24 更新: 2025/10/24

高市早苗首相は10月23日、木原稔官房長官に対し、政府のインテリジェンス機能を統括する「国家情報局」の創設に向けた検討を指示した。政府は、省庁横断的に情報を集約・分析する体制を整え、安全保障や経済安全保障を含む国益保護を強化する狙いを持つ。​

構想は、自民党と日本維新の会の連立政権合意に基づき、現行の内閣情報調査室(内調)を格上げし、国家情報局として設置することが軸となっている。新設局は国家安全保障局(NSS)と同格の権限を持つとされる。長官ポストには「国家情報局長」が新設され、首相直轄のポストとして官邸主導の情報運営を行う。​

また令和9年度末までに独立した対外情報庁(仮称)や情報要員養成機関を創設。令和7年にスパイ防止関連法制定(外国代理人登録法など)の検討を開始し、速やかな成立を目指すとされる。

来年の通常国会で関連法案を提出する方針が示されている。高市首相は就任以来、「国家安全の司令塔強化」を最重要政策の一つに掲げており、外国勢力によるハイブリッド戦や情報操作に対応する体制整備を重視している。​

一方で、情報機能強化が進むことによる市民への監視強化や、言論・表現の自由の制約を懸念する声も市民団体や一部メディアから上がっている。政府は「法的枠組みを明確化し、透明性を確保した運用を行う」と説明しているが、今後の具体設計や国会審議で論争が予想される

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます
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