トランプ米大統領 地下核実験の可能性排除せず

2025/11/01 更新: 2025/11/01

10月31日、アメリカのトランプ大統領は、アメリカが核実験を再開する方針を改めて表明し、地下核実験の可能性についても排除しなかった。

トランプ大統領は30日、韓国で中国共産党(中共)の習近平と会談する前、自身のSNSプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」で突如声明を発表した。声明の中でトランプ氏は「他国の核兵器実験計画を踏まえ、国防総省に対し『同等の基準で、我々の核兵器の試験を開始するように』指示した。核兵器の試験は即時に開始される」と述べた。

アメリカが最後に核実験を行ってからすでに33年が経過している。今回の動きは、中共やロシアなどに向けたシグナルとみられている。

31日、トランプ氏はフロリダ州パームビーチへ向かう大統領専用機「エアフォース・ワン」内で記者団に対し、再び核実験再開を強調した。冷戦期に行われていたような地下核実験も含まれるのかとの質問に対しては明言を避け「すぐにわかるだろう。だが我々はいくつかの(核)実験を行う」と答えた。さらに「他の国々がやるなら、我々もやる」と述べた。

地下核実験とは、核爆弾を十分な深さに埋設して爆発させ、厚い封じ込め材で放射線の漏出を防ぎ、地震波だけを地表に伝える「隠れた核爆発」である。地下核実験では極端な高温と高圧が発生し、周囲の岩石構造が変化する。

トランプ氏の言う「核実験」が、国家核安全保障局による核爆発試験を指すのか、それとも核弾頭を搭載したミサイルの飛行試験を指すのかは、現時点では不明である。

北朝鮮が2017年に核爆発実験を実施して以来、過去25年以上にわたり他の核保有国はいずれも同様の実験を行っていない。

トランプ氏による核実験再開の動きは、米中露の対立が激化する中での決定である。トランプ氏は10月30日の発表の中で、「アメリカが保有する核兵器の数は他のどの国よりも多い。この目標は私の第1期政権中に達成された。既存の核兵器についても全面的な更新と改良を実施した。核兵器は極めて破壊的であるため、私は本来このようなことを望まないが、他に選択肢はない! ロシアが第2位で、中国は大きく遅れて第3位だが、5年以内には追いつく見通しだ」と述べた。

ロシアは10月21日に新型の核動力巡航ミサイルを試射し、22日には核戦備演習を実施した。また28日には「ポセイドン」と呼ばれる核動力式の超大型魚雷を試射した。クレムリンは、21日および28日の試験はいずれも核爆発実験ではないと説明している。

アメリカのヴァンス副大統領は30日、ホワイトハウスで記者団に対し「我々は明らかに巨大な核兵器庫を保有している。ロシアも大規模な核兵器庫を持ち、中国も同様だ。時には、それらが正常に機能しているか確認するために試験が必要なこともある」と述べた。

張婷
関連特集: 米国