ベッセント米財務長官は先日、米中間で進められているTikTokの売却交渉について、今後数週間から数か月以内に進展が見込まれると明らかにした。では、このアプリは現在、どのような役割を果たしているのか。また、アメリカの若者を中心にどのような心理的影響を及ぼしているのか。新唐人テレビのティファニー・メイヤー記者が「マイ・スマート・プライバシー」社のサイバーセキュリティ顧問、レックス・リー氏に話を聞いた。
NTDTV記者のティファニー・メイヤー氏
「レックス・リーさん、再び番組にご出演いただきありがとう」
マイ・スマート・プライバシー社 サイバーセキュリティ顧問のレックス・リー氏
「こちらこそ光栄です」
ティファニー・メイヤー記者
「いま多くの若者が、自分の憧れのヒーローやアイドルとつながる手段として、TikTokを使っている。アメリカで使われているTikTokと中国版の抖音では、人々への心理的影響にどのような違いがあるのだろうか」
レックス・リー氏
「両者の違いは極めて大きいと言えるだろう。実はこの2つのプラットフォームは、どちらも同じ親会社であるバイトダンスが運営している。TikTokは現在もバイトダンスが所有しており、交渉取引はまだ完了していない。以前もお話ししたが、取引が成立してもバイトダンスはアメリカの新TikTok運営会社の20%の株式を保有する予定だ。したがって、真の意味でアメリカ版TikTokとは言えない。さらにアルゴリズムの使用権に対しては、中国側が毎年10%から20%の収益を得ることになる。なぜなら、そのアルゴリズムは100%中国側が所有しており、新会社は単に使用許可を受けているだけだからだ。このため、中国共産党(中共)によるTikTokへの影響は今後も残ると考えられる。TikTokがアメリカやその他の国でどのように設計・運用されているかを見てみると、実質的にコンテンツへの制限がほとんどなく、人身売買を助長するような投稿まで拡散されている。TikTokのようなプラットフォームには、すでに犯罪組織が浸透しているのだ」
レックス・リー氏
「一方で、中国の抖音(TikTokの中国版)はまったく逆の設計になっている。中国では良い行動や学業、スポーツなどを奨励し、使用時間にも制限を設けており、制限時間を過ぎると強制的にアプリが閉じられる。同時に、このプラットフォームは中共による政治思想の刷り込みにも利用されている。アメリカ版TikTokにも同様の政治的洗脳の要素が存在し、これは中共が対米ハイブリッド戦争の一環として行っている活動と関係している」
ティファニー・メイヤー記者
「それでは、保護者の方々や、こうしたテクノロジー・プラットフォームの影響を心配している子供たちに、どのようなアドバイスをされるのか」
レックス・リー氏
「私の子供はすでに大人になっているが、もし10年前に戻れるなら、彼らが18歳になるまでスマホを持たせなかったと思う。そうすれば、SNSの使用を禁止する必要もない。そもそもSNSを使えるデバイスを持たないわけだから。子供がデスクトップのパソコンを使う必要がある場合には、保護者がしっかり監督し、使用時間のルールを設けるべきだ。最近では、Z世代の間でシンプルフォンを使う動きが新しい流行になっている。彼らはもううんざりしているのだ。現代のテクノロジーに過度に依存していることを自覚し始めている。この動きは徐々に広がっている。しかし、ワシントンのロビイスト団体の影響力は非常に強く、金銭的利益も巨大であるため、アメリカ政府が本気で消費者や子供たちを守ることはほぼ不可能である。最終的には、その責任はすべて保護者に帰する。親が自らの責任を果たし、政府に頼りすぎないことが重要だ」
ティファニー・メイヤー記者
「レックス・リーさん、貴重なお話をありがとう」
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。