統合幕僚監部によると、令和7年11月24日(月)午前から午後にかけて、中国のものと推定される無人機1機が東シナ海から飛来し、与那国島と台湾との間を通過して太平洋に進出した。無人機はその後、太平洋上から再び与那国島と台湾との間を通過して東シナ海に戻ったことが確認されている。これに対し、航空自衛隊南西航空方面隊の戦闘機がスクランブル発進し、所在の確認などの対応を実施した。

定)が東シナ海から飛来し、与那国島と台湾との間を通過した(提供:防衛省統合幕僚監部)
地域的背景と最近の動向
与那国島は日本最西端に位置し、台湾本島に至近であることから、中国軍機・無人機の通過経路として頻繁に登場している。2025年に入ってからも、与那国島と台湾との間を通過する「推定中国無人機」に対し、航空自衛隊が繰り返し緊急発進していると報じられている。11月15日にも同様の経路で無人機が飛行し、太平洋上で旋回・反転後に再び同空域を通過して東シナ海へ戻った事案が公表されており、今回の飛行パターンはそれと酷似している。
日本側の対応と安全保障上の意味
日本政府・防衛省は、中国軍とみられる航空機や無人機が日本周辺空域に接近した際、領空侵犯を防ぎつつ、常続的な警戒監視とスクランブル対応を行うことで抑止力維持を図っている。無人機は有人機と比べて長時間・リスク低減で偵察・情報収集が可能であり、台湾有事シナリオとも関連づけられるため、日本にとっても警戒対象としての重みが増している。
与那国島と台湾の間の空域でこうした飛行が反復されていることは、中国側が台湾周辺および第一列島線に沿った海空域における運用ノウハウや情報を蓄積している可能性を示しており、日本の防空態勢と日米同盟の連携強化の重要性を改めて浮き彫りにしている。
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