中共軍がロケット弾27発発射 台湾海峡周辺に着弾 事故の発生なし

2025/12/30 更新: 2025/12/30

中国共産党軍は台湾周辺で大規模軍事演習「正義使命-2025」を実施し、30日、台湾海峡周辺海域に向けてロケット弾27発を発射した。頼清徳(らいせいとく)総統は同日、中国が近ごろ軍事的圧力を頻繁に強めているとし「責任ある大国の行為では決してない」とコメントした。

台湾の海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)は同日、中国側が設定した2か所の航行禁止区域内に着弾したことを確認。人的・物的被害は発生していないと発表した。中央通訊社の他、時事通信のほか複数メディアが報じた。

中国軍東部戦区は29日に演習開始を発表し、30日午前8時から午後6時まで、台湾を完全包囲する5つの海空域で実弾射撃演習を実施した。台湾国防部の発表によれば、29日午後3時までに中国軍機89機を確認し、うち67機が台湾が定める警戒区域の「応変区域」に進入。中国艦艇14隻が台湾周辺に展開し、海警船14隻も配置された。​​

中国軍は、2022年8月のペロシ訪台以降、台湾を包囲する形の大規模演習を断続的に実施している。具体的には、2023年4月の蔡英文前総統の訪米後や、2024年5月の頼総統就任直後の「連合利剣-2024A」、さらに同年10月には「連合利剣-2024B」が行われた。2025年に入っても、台湾側の政治情勢や米台関係の動きに合わせ、大規模な軍事圧力を強める姿勢を継続している。

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