トランプ氏 台湾総統と直接会談へ 武器売却を検討中

2026/05/21 更新: 2026/05/21

米国が台湾への武器売却数十億ドル規模を検討する中、トランプ米大統領は台湾の頼清徳総統と直接電話会談する意向を示した。米国が外交承認を台北から北京に切り替えた1979年以降、米大統領が台湾総統と直接電話会談した例はない。

 

トランプ米大統領は、米企業による数十億ドル規模の台湾への武器売却を最終決定するにあたり、台湾の頼清徳総統と直接会談する意向を示した。

台湾への武器売却を決める前に台湾指導者に電話するかどうか記者団に問われたトランプ氏は5月20日、「話すつもりだ」と述べた。

「私は誰とでも話す。この問題はよく掌握している」と語り「台湾問題は対処していく」と付け加えた。

米台両国の大統領による直接会談は極めて異例であることから、このような電話会談が実現すれば大きな意義を持つ。直近の例は2016年12月、トランプ氏が初当選後に当時の蔡英文台湾総統からの電話を受けたケースで、1979年に米国が外交承認を台北から中国共産党政府に切り替えて以降、米大統領ないし次期大統領が台湾指導者と直接話したのはトランプ氏が初めてとされる。

中国共産党(中共)は、台湾を一度も統治したことがないにもかかわらず、2300万人が暮らす自治の島を「分離した省」と位置づけており、米国と台湾のいかなる公式な接触にも長年反対してきた。習近平は、「平和的統一」と呼ぶ台湾との統一を繰り返し誓っているが、中国当局は軍事的接収に向けた準備も進めている。

トランプ氏のこの発言は、習近平と貿易、イラン、台湾など幅広い議題を協議した北京訪問から1週間も経たないうちに出たものだ。

5月14日から15日にかけての首脳会談で習近平はトランプ氏に対し、台湾問題の取り扱いを誤れば米中両国間の衝突や紛争を招きかねないと述べた、と中共政府側発表の内容は伝えている。

帰国の途につくエアフォースワン機内でトランプ氏は、習近平と台湾問題を踏み込んで協議し、習近平が米国の武器売却問題を持ち出したことを認めた。

「台湾の…武器売却全体について実際に詳しく協議した」とトランプ氏は15日、記者団に語った。「決断を下す」とも述べ、名指しは避けたものの「台湾を率いている人物」とも話すと明らかにした。

米国は多くの国と同様、台湾と正式な外交関係を持たないものの、台湾政府との実質的な関係を緊密に維持しており、法律上も台湾に自衛手段を提供する義務を負っている。

中共外務省の郭嘉昆報道官は現地時間20日の定例会見で、台湾への米国の武器売却に対する中国の反対姿勢は「一貫して明確だ」と記者団に述べた。

2026年5月20日、台北の総統府で就任2周年に際し演説する台湾の頼清徳総統。(I-Hwa Cheng/AFP via Getty Images)

同日、頼総統は、トランプ氏と直接会談できる機会が生じれば、中共がインド太平洋地域で存在感を拡大していることを提起すると表明。また台北では「中国は台湾海峡の平和と安定を破壊する者だ」と語り、中国共産党軍は東シナ海・南シナ海での活動を拡大し続け、演習の範囲は西太平洋にまで及んでおり、インド太平洋地域の緊張を高めていると述べている。

頼総統は、「自信と沈着さ」をもって現状維持に取り組み、台湾海峡の平和と安定を守っていく姿勢を改めて示した。

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