中国 行事縮小と節約志向が街の空気を冷やす

静まり返る 上海の年越し

2026/01/01 更新: 2026/01/01

年越しでも人は戻らなかった。中国経済の中心・上海で深夜営業と割引を総動員したが商店街は静かなまま。消費低迷の深さが浮き彫りに。

中国最大の経済都市である上海の年越しは、例年のにぎわいを欠き、街全体が静まり返った。治安面への警戒を理由に、当局が各地の年越し関連行事を大幅に縮小・中止したことに加え、寒波の影響も重なり、中心部でも人出はほとんど見られなかった。

大みそかの夜、午後6時を過ぎても、上海随一の繁華街である南京路歩行街に、連休時のような人波は現れなかった。老舗や大型店の一部は年越しに合わせて深夜まで営業し、音楽イベントや特別セールも行われたが、通りは終始落ち着いた雰囲気のままだった。

年越し関連のイベントは、主に郊外に配置された。宝山区の川沿いではドローンと花火を組み合わせた演出、滴水湖では湖畔の花火、上海ディズニーランドでは冬向けの特別企画が予定された。ただし、冷え込みと強風の影響で、宝山区のドローン花火は内容が調整され、盛り上がりには欠けた。

市民の関心を集めてきた龍華寺の除夜の鐘も、直前になって中止が決まった。寺の掲示によると、12月31日から翌年1月3日まで、毎日午後5時で閉門し、夜間の参拝は行わないという。関係者は、突然の通知だったとして、詳しい理由は分からないと話している。

こうした静けさの背景には、深刻な消費低迷がある。当局は年末から2026年3月初めまでを迎春消費シーズンと位置づけ、商業施設やネット通販を中心に消費促進策を展開している。主要商圏では消費券の配布や割引、抽選企画が計画され、南京路では30店余りの老舗が年越しに合わせて営業時間を延長した。

しかし、公式統計では、2024年の上海の小売売上高は前年比3.1%減少し、飲食や宿泊業は5.4%減と落ち込みが目立つ。当局は年末から旧正月期にかけ、商業街やネット通販を含む大規模な消費促進策を展開している。市内の主要商圏では、消費券の配布や値引き、抽選企画に公的資金を投じたものの、現場の体感として消費の戻りは鈍いままだ。

専門家の間では、雇用不安や先行き不透明感が家計の支出を抑えているとの見方が強い。最大都市で深夜営業や割引を総動員しても成果が出なかった現実は、中国全体の消費回復がなお遠い段階にあることを示している。華やかな年越しが姿を消した上海の街並みは、冷え込む景気と人々の慎重な空気、そして社会に漂う緊張感を静かに映し出している。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
関連特集: 中国