令和8年1月4日早朝、北朝鮮は同国西岸付近から少なくとも2発の弾道ミサイルを東方向に向けて発射した。
防衛省の発表によれば、ミサイルは午前7時台から8時台にかけて発射された。現時点で判明している飛翔データの詳細は以下の通りである。
- 1発目: 午前7時54分頃に発射。最高高度は約50km、飛翔距離は約900kmと推定される。
- 2発目: 午前8時05分頃に発射。最高高度は約50km、飛翔距離は約950kmと推定される。
特筆すべき点として、いずれのミサイルも「変則軌道」で飛翔した可能性があり、 現在日米韓で緊密に連携して分析が進められている。ミサイルは日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したと推定されており、現時点で航空機や船舶への被害報告は確認されていない。
日本政府は、官邸危機管理センターに設置されている「北朝鮮情勢に関する官邸対策室」において情報を集約し、緊急参集チームを招集して協議を行った。また、北朝鮮に対しては、一連の行動が関連する安保理決議に違反するものであるとして、厳重に抗議し、強く非難している。
外交日程と国内情勢
今回の発射は、前回(11月)の弾道ミサイル発射から約2ヶ月ぶりとなる。その背景には、以下のような外交および北朝鮮国内の要因が指摘されている。
韓国大統領の訪中に合わせた挑発
韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は、1月4日(日)から中国を公式訪問し、習近平と朝鮮半島の平和について会談する予定である。韓国側は中国に対し、北朝鮮との対話を促進する役割を期待しているが、北朝鮮はこれまで韓国側の働きかけを拒絶してきた経緯がある。今回の発射は、この中韓首脳会談のタイミングを狙った牽制であるとの見方が強い。
軍事力の誇示と国内目標
北朝鮮の国営メディアによれば、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は、発射前日の土曜日に軍需工場を視察した際、戦術誘導兵器の生産能力を2倍以上に高めるよう指示した。さらに、今年は主要な政策目標を策定する「朝鮮労働党第9回党大会」が控えており、その準備の一環として一連の武器開発やミサイル試験を監督している状況にある。
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