対イラン制裁強化で中国が最大リスクに 米国の25%関税発動

2026/01/15 更新: 2026/01/15

なぜアメリカがイランと取引する国に追加関税を課すと、中国が最大の影響を受けるのか。闇の原油取引だけでなく、イランの非石油輸出の3分の1以上の仕向け先は中国であり、さらにイランの輸入商品の約40%も中国からのものだからだ。

1月12日、トランプ米大統領は、イランと貿易関係を持つすべての国に対し、25%の追加関税を課すと発表し、「即時発効」とした。

この措置は、イラン国内で近年最大規模かつ最も長期化している反政府抗議活動が続く中で打ち出した。イラン当局は抗議参加者を厳しく弾圧し、数百人が死亡、1万人以上を拘束したとする。犠牲者はすでに二千人を超えたとの見方もある。

なぜ中国が最大の打撃を受けるのか

この新関税政策は中国にとって重大なリスクとなる。対象は物品取引のみに限定するのか、銀行・海運といったサービス分野にも及ぶのか、間接取引まで含まれるのか、あるいは対イラン取引の規模に下限を設けるのかなど、詳細は依然不明だ。

まず、中国の対米輸出品には追加で25%の関税を課す可能性があり、既存の関税と合わせると税率は45%以上に達する恐れがある。これはアメリカ市場において中国製品の競争力を大きく損なう。

国連貿易情報・交渉諮問局によると、2024年のイランの非石油分野の世界向け輸出額は129億ドルに上り、そのうち3分の1以上が中国向けだった。また同年、イランの商品輸入の約40%が中国からで、両国の経済関係の深さを示している。

さらに、イランの主要輸出品の多くは燃料関連であり、中国はイラン産原油の最大の購入国である。2025年夏にイスラエルがアメリカの支援を受けてイランを攻撃して以降、中国の買い手はイランのエネルギー輸出施設が標的になることへの警戒を強めている。制裁下にあるイラン産原油の大半は、中国山東省の民営「ティーポット」製油所に流れている。

ベルギー・ブリュッセルのエネルギー追跡会社Kplerによると、中国は2025年にイラン原油輸出量の約80%を受け入れたという。

核開発問題を背景に、イランは現在も国際制裁下にあり、原油輸出は禁輸対象となっている。そのため、イランは影の船団による船舶間輸送や、原産国をマレーシアやUAEなどに偽装する再ラベル手法を用いて、制裁を回避している。

アメリカ非営利団体「United Against Nuclear Iran」によれば、2025年に中国はイランから1950万バレルの原油を輸入した。米エネルギー情報局(EIA)は、この闇貿易がイラン政府にもたらす未申告収入は年間約430億ドルに上ると推計している。

この収入は、長年の制裁とインフレ、通貨安に苦しむイラン政権にとって生命線となっている。

米中の脆弱な「貿易休戦」にも影

この新関税は、2025年10月に成立した米中の貿易休戦合意を揺るがしかねない。両国は当時、関税引き上げを一時停止し、中国共産党(中共)はレアアースの輸出規制を緩和し、アメリカ産大豆の大量購入を約束していた。

また、トランプ氏が4月に予定している北京訪問にも不透明感が強まっている。

中共は1月13日、この措置を「違法な一方的制裁」と非難した。

Kplerの中国原油担当バイスプレジデントを務めるトム・リード氏は、中国の重質原油の備蓄は3月までは持ちこたえられるが、その後はイランやベネズエラ以外の供給源を探さざるを得なくなると指摘している。

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