台湾 親中発言を理由に中国人インフルエンサーの居留権を取り消し

2026/01/27 更新: 2026/01/27

【台北】台湾の内政部移民署(NIA)は、国家安全保障と社会の安定を脅かすとみなされる発言を行ったとして、中国人SNSインフルエンサーの長期居留許可を取り消した。

移民署は1月19日、ネット上で「官官(グアングアン)」として知られるコンテンツクリエイターの「物議を醸す発言」について、関係機関による調査を完了したと発表した。本人への弁明の機会を経た後、同署は居留許可の取り消しと台湾からの退去を命じる決定を下した。移民署が強制措置を講じる前に、彼女は1月中旬に自発的に台湾を出国したという。

「官官」は、中国版TikTok「抖音(ドウイン)」において、中国共産党(中共)を支持する発言で知られている。1月14日の動画で、彼女は中国語でこう語っている。 「台湾は国家ではなく、今後も国家になることはない。早期の統一を望む」 また、同動画内で彼女は台湾の内政部長(内相)である劉世芳氏を「分離主義者」と非難し、移民署の決定を通じて自身を「迫害」していると訴えた。

中共は、自治が行われている台湾を一度も統治したことがないにもかかわらず、自国領土の一部であり「再統一」すべき対象とみなしている。中国政権は、台湾の主権を主張する頼清徳総統ら指導者層を「分離主義者」とレッテル貼りしている。

中国側では、国務院台湾事務弁公室の陳斌華報道官が1月21日に声明を出し、台湾の執政党である民主進歩党(民進党)を批判した。陳報道官は「官官」の事例について、台湾における中国人配偶者を「抑圧し、いじめる」試みを浮き彫りにするものだと主張した。

これに対し、台中関係を担う台湾の大陸委員会(MAC)は21日、台湾が自国の法律を執行することに中国が介入する権利はないとの声明を出した。大陸委員会は、中国による台湾への武力攻撃を支持するなどの投稿を行う中国人配偶者はごく少数であり、大多数は台湾で平穏に暮らし、社会に貢献していると付け加えた。「国務院台湾事務弁公室は、ごく少数の違法かつ不適切な行為を、台湾に住む中国人配偶者のコミュニティ全体に意図的に投影し、台湾社会を分断しようとしている。このような手法こそが、台湾で普通の生活を送ろうと努力している中国人配偶者をいじめ、傷つけるものだ」と批判している。

1月22日、台湾基進党はFacebookの投稿で移民署の決定への支持を表明した。「台湾は言論の自由を保障する民主社会だが、言論の自由は民主主義そのものを破壊するために使われるべきではない」と同党は記している。「中国による長期的な浸透工作と認知戦に直面する中、台湾は明確な一線を画さなければならない。政治体制の議論は許されるが、主体としての台湾の消滅を主張する政治的行動は容認できない。そうして初めて、台湾は真に自由と主権を守ることができる」

「官官」の事例は孤立したものではなく、頼政権は昨年も他の中国人配偶者に対して同様の措置を取っている。12月5日、移民署は「銭莉(Qian Li )」という名の中国人配偶者が、中国共産党による台湾の武力併合を主張する発言をネット上で行ったため、親族訪問目的の居留許可を取り消したと発表。彼女も自発的に台湾を出国している。

台湾在住のジャーナリスト。米国、中国、台湾のニュースを担当。台湾の国立清華大学で材料工学の修士号を取得。
関連特集: 台湾・香港