中東という火薬庫に、また一つ薪がくべられた。軍事ニュースサイト「Army Recognition」は1月29日、ロシアメディアの情報を引用し、イランがロシアから購入した最初のMi-28NE「ナイト・ハンター」攻撃ヘリコプターを受領したと報じた。
これは、両国が2023年に締結した軍事購入協定において、初めて実際に引き渡された重装備である。現在、このヘリコプターはテヘラン市内の施設で検査を受けており、いつでも配備可能な状態にあると広く見られている。
強力な攻撃能力と防御の強化
報道によると、Mi-28NEはロシアが輸出用に特別設計した重攻撃ヘリコプターであり、非常に強力な火力を備えている。30mm機関砲、対地ミサイル、ロケット弾を搭載し、地上および空中目標の双方を攻撃可能だ。また、抗堪性(攻撃への耐性)が強調されており、低空、かつ昼夜を問わない環境下で、空中強襲、偵察、防空制圧など多岐にわたる任務を遂行できる。
この装備の導入により、アメリカによる攻撃の可能性に対し、イランの防御能力が大幅に強化されるとの指摘もある。これに先立ち、テヘラン当局はモスクワに対し、ロシア軍のウクライナ侵攻を支援するため、約30億ドル相当のミサイルや武器を提供したと伝えられている。
緊迫するイラン国内情勢
一方で、イラン国内の情勢は依然として極めて緊迫している。ロイター通信が複数の活動家から得た情報によると、イラン当局は反政府デモを鎮圧するため、大量の私服警官を動員して大規模な検挙に乗り出し、数千人を拘束したという。これらの私服警官はここ数日の間に検問所を設置し、民家を急襲して人々を連行した。拘束された人々は倉庫や急造の拘留施設など秘密の場所に送られ、その多くが行方不明となっている。
昨年末、テヘランのバザール(市場)から始まった抗議活動は瞬く間に制御不能な状態となり、過去半世紀のイランにおいて最大規模の反宗教体制デモと呼ばれている。人権団体によれば、政府は武力による強制排除だけでなく、インターネットを遮断し、多くの市民に死傷者が出ているという。
深刻化する人道危機と国際的な圧力
人権団体HRANAの統計では、死者数は少なくとも6千人を超え、4万人以上が逮捕されたとしているが、イラン当局が発表する数字はこれを大きく下回っている。国連も、拘留者の多くが拷問や不当な裁判に直面しており、その中には医師や看護師までもが含まれていると警告を発した。
対外的な圧力も強まっている。アメリカのトランプ大統領は最近、イランの核計画に関する交渉を繰り返し要求し、もし武力行使に踏み切る場合、その打撃は過去の空襲をはるかに凌駕するものになると警告した。米軍はすでにピンポイント爆撃を含む複数の選択肢を検討しているが、中東の当局者からは「空襲だけでイラン政権を揺るがすのは困難である」との指摘も出ている。
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