トランプ氏 スターマー英首相の対中貿易合意は「英国にとって非常に危険」と警告

2026/01/31 更新: 2026/01/31

米国のドナルド・トランプ大統領は30日、英国のキア・スターマー首相が北京で中国の習近平国家主席と一連の合意に署名したことを受け、中国と取引を行う危険性についてスターマー首相に警告した。

スターマー首相は30日、中国との関係について「より洗練された関係」を望むと述べ、中国向けスコットランド産ウイスキーの関税引き下げや、英国市民が最長30日間ビザなしで中国を訪問できることを認める合意に署名した。

英中間の合意について記者団から問われたトランプ大統領は「彼らがそれを行うのは非常に危険だ」と述べた。

トランプ大統領は30日、ワシントンのケネディ・センターで行われた映画「メラニア」のプレミア上映の場で発言したが、詳細には踏み込まなかった。

米下院外交委員会(共和党主導)はX(旧ツイッター)に、「習近平と会うすべての世界の指導者へ。中国が売っているのは安価な製品と安っぽい友情だけだ」と投稿した。

米国のハワード・ラトニック商務長官は30日、記者団に対し、「中国は世界最大の輸出国であり、こちらが輸出しようとすると非常に難しい相手だ。英国が中国に輸出しようとしても、成功する可能性は低いだろう」と述べた。

トランプ大統領が英国に関税を課す可能性について問われたラトニック長官は「英国首相が米国に対抗し、非常に厳しい発言をしない限り、その可能性は低いと思う」と語った。

トランプ大統領は1月22日、4月に中国を訪問し、習近平が年内に米国を訪問すると見込んでいると述べている。

トランプ大統領は先週、カナダのマーク・カーニー首相が今月初めに中国を訪問し、石油、ガス、木材を巡る複数の合意に署名したことを受け、カナダに関税を課すと警告した。

トランプ大統領は1月24日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、カナダが「中国と取引を行うなら」米国向けのカナダ製品に100%の関税を課すと投稿した。

米国のスコット・ベッセント財務長官は1月25日、ABCニュースのインタビューで、「カナダが中国製の安価な製品を米国に流し込む入口になることは許されない」と述べた。

英国のクリス・ブライアント通商政策担当閣外大臣は、英国が中国と合意を結ぶのは危険だとするトランプ大統領の主張について「誤りだ」と述べた。

ブライアント大臣は31日、BBCに対し、「もちろん、中国との関係は十分に警戒したうえで構築している。世界の舞台における中国の存在を無視するのは、率直に言ってばかげている」と語った。

スターマー首相は30日、北京で開かれた英中ビジネス・フォーラムで、習近平と「非常に温かい」会談を行ったと述べた。

スターマー首相は、ウイスキーとビザを巡る合意について「我々が関係で進めていることを象徴するものだ」と語った。

スターマー首相は声明で「世界有数の経済大国として、企業は中国で事業を拡大する手段を強く求めてきた。短期渡航のビザ規則緩和を含め、海外展開を容易にし、国内の成長と雇用を後押しする」と述べた。

英国政府によると、英国企業は現在、中国に対して金融、法務、教育分野のサービスを年間130億ポンド(約178億ドル)販売している。

スターマー首相は30日、中国の自動車メーカー、奇瑞汽車の尹同躍会長と会談し、同社が商用車部門の研究開発拠点を英リバプールに設置する計画について協議した。

スターマー首相率いる労働党政権は、2024年7月の総選挙勝利以降、経済成長の実現に苦戦しており、世界第2位の経済大国である中国との関係改善を優先課題としている。

ただし、トランプ大統領は中国を米国最大の経済的競争相手と位置付けており、こうした動きにはリスクも伴う。

スターマー首相は上海へ向かう機内で記者団に対し「米国との関係は、我々が持つ中で最も緊密な関係の一つだ」と述べた。

スターマー首相は、中国と米国のいずれかを選ぶ必要はないと強調し、9月にトランプ大統領が訪英した際、英国への1500億ポンド(約2060億ドル)の投資を確保したことを指摘した。

スターマー首相は、ここ数か月で中国を訪問した主要な西側指導者の3人目となる。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は昨年12月に訪中し、今月初めにはカーニー首相が続いた。ドイツのフリードリヒ・メルツ首相も来月、中国を訪問する予定だ。

ロイターがこの報道に協力した。

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