日本 深海6千mで稀土類採取に成功 中国「レアアース・カード」はカウントダウンへ

2026/02/08 更新: 2026/02/08

日本政府は2月2日(月)、太平洋の南鳥島沖、水深約6千メートルの深海において、レアアース(希土類)を含む泥の採取に成功したと発表した。これほどの深海からレアアースの試料を採取したのは世界初の快挙であり、中国によるレアアース独占体制を揺るがす画期的な出来事と見なされている。

日本政府の発表によると、地球深部探査船「ちきゅう」が南鳥島近海の水深6千メートルから、レアアースを含む堆積物を採取した。日本側は、この深度でのレアアース抽出試験は世界初の事例であるとしている。
佐藤啓内閣府大臣政務官は、今後、正確な含有量を含めた試料の分析を進めると述べた。また、今回の成果は経済安全保障および総合的な海洋開発の観点から「意義深い」と強調した。

台湾の国防安全研究院で副研究員を務める謝沛学氏は、次のように分析する。「これは工学上の金字塔だ。特に6千メートルという極限の水圧と複雑な潮流にさらされる環境下での成功は、日本の深海資源開発技術が世界最先端であることを証明した。この採掘システムの実現可能性を検証しただけでなく、日本の資源ポテンシャルという事実を裏付けたと言える」

日本メディアの試算によれば、南鳥島周辺海域のレアアース埋蔵量は1600万トンを超え、世界第3位の潜在的埋蔵区となっている。その中にはジスプロシウムやイットリウムといった重レアアースも豊富に含まれており、世界の需要を数百年単位で満たす規模だという。
謝氏は、「これは、日本が戦略資源において、長年の『資源貧国』というレッテルを返上するための現実的な選択肢を、理論上初めて手にしたことを意味する」と指摘する。
「このプロジェクトは内閣府のSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の一環であり、日本政府が『レアアースの脱中国化』を国家戦略の最高レベルに引き上げ、コストを厭わず独立したサプライチェーンを構築しようとしている証左だ」

中国の「戦略的武器」が無力化へ

現在、中国は世界のレアアース採掘量の約3分の2、精錬においては9割以上のシェアを占めている。中国政府はこれまで、レアアースを「戦略的武器」や「地政学的な外交カード」として繰り返し利用してきた。
2010年の尖閣諸島を巡る紛争の際、中国は日本への報復としてレアアースの輸出制限を行った。また、今年1月6日には、高市早苗首相の台湾に関する発言を理由に、軍民両用物品の日本への軍事転用輸出を禁止すると発表したばかりだ。

謝氏は、今回の日本の突破口は中国にとって「致命的な戦略的挑戦」になると分析する。
「これまで各国が中国とのデカップリング(切り離し)に踏み切れなかったのは、選択肢がなかったからだ。もし日本が今後(商業化に)成功すれば、欧米諸国に自信を与え、中国抜きでのレアアース・サプライチェーン構築を加速させるだろう。日本が商業化・量産化に成功すれば、中国による供給側の絶対的なコントロールは必ず衝撃を受け、瓦解することになる」

台湾国防安全研究院の戦略・資源研究所長である蘇紫雲氏も、中国がレアアースを「武器化」する効果は、すでに減退していると指摘する。2010年の輸出制限は、自由世界にとっての警鐘となった。これを受け、日本はいち早く代替案の策定に乗り出し、米国も重要な戦略物資への依存を国家安全保障の問題として正式に位置づけるようになった。
「日本は民主主義国家の中で、代替案の導入に最も積極的だ。海水からのレアアース抽出、廃棄された電子機器からの回収(都市鉱山)、そしてレアアースへの依存度を下げる新製品の開発などだ。今回の海底からの採取は『第4の選択肢』であり、供給源を増やすものだ」

カウントダウンの始まり

中国の「レアアース・カード」はいつまで通用するのか。蘇氏は、すでにカウントダウンに入っていると判断している。
「第一に、中国自体のレアアースの半分以上は東南アジア(ミャンマーなど)から来ているが、この部分はすでにトランプ米政権が先回りして阻止しつつある。中央アジア諸国の首脳もホワイトハウスでトランプ氏と会談している。第二に、西側諸国の精錬技術が急速に向上していることだ。したがって、中国によるレアアースの脅威は今後5年以内に大幅に緩和されるだろう。その時、中国産レアアースは暴落し、『キャベツのような値段』に戻る可能性がある」

専門家は、問題の本質は資源そのものではなく、体制にあると考えている。
蘇氏は「中国は初期、環境保護を犠牲にすることで商業的機会を得てきた。しかし現在、中国の人口ボーナスは終了し、他国の新技術によって環境負荷を抑えた採掘が可能になりつつある。中国が他国を追い詰め、独自の戦略物資供給源を確立させた結果、自らの重要性を低下させてしまったのだ」と述べる。
蘇氏の目には、中国によるレアアース独占の崩壊は「起きるかどうか」ではなく、もはや「避けられない潮流」として映っている。

日本政府は今回の成功を踏まえ、2027年2月に大規模な試験採取を行い、1日あたり最大350トンの泥を回収する計画を立てている。

常春
王子琦
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