イラン政権が市民を「人間の盾」に 中共の「人海戦術」と重ねる見方も

2026/04/08 更新: 2026/04/08

米国がイランに対して軍事行動を開始して以来、イラン軍関係者が住宅地や学校などの民間施設に身を隠し、空爆を回避していることが明らかになっている。米国が設定した最終期限(イランにホルムズ海峡の開放を要求し、応じなければ発電所を爆撃する)を前に、イラン当局は民間の若者に対し「人間の盾」を組織して発電所を守るよう求めた。ネットユーザーはこれを中国共産党の「人海戦術」に類似すると指摘し、独裁政権の無法ぶりだと批判している。

イラン当局が再び「人間の盾」 ネットでは中共を連想

トランプ米大統領は7日午後8時(現地時間)までにホルムズ海峡を開放するようイランに要求し、応じなければ発電所などを爆撃すると警告。これに対し、イラン当局は緊急声明を出し、民間の若者に対し同日午後2時までに各地の発電所へ集まり、「人間の盾」となって国家資産を守るよう呼びかけた。

イラン青年・青少年委員会の事務局長であり、青年・スポーツ省の副大臣でもあるアリレザ・ラヒミ氏は国営テレビで演説し、アスリートや芸術家、大学生に対して「立場や政治的見解に関係なく、これらの発電所は我が国の資産であり、イランの未来と若い世代に属するものだ」と訴えた。

このように民間人を人間の盾として用いるやり方は、過去にイランと西側諸国との緊張が高まった際にも、核施設周辺で見られたことがある。

また、今年2月末に米国とイスラエルがイランに軍事行動を開始して以降、イラン軍は人員や武器、装備を住宅地、学校、モスク、体育館などの民間施設に移し、空爆を回避するために民間人を「人間の盾」として利用している。

SNS上の反応

X(旧ツイッター)では、イラン当局が再び民間人を「人間の盾」とする行為に対し議論が沸騰し、中国語圏のネットユーザーはイランの戦略を中共と重ねわせる見方が相次いだ。

「独裁政権がまた無法なことをしている。」「イスラム政権はインフラを守るために人間の盾を使う準備ができている……中国人はこれを聞いてどう思う?台湾有事でも自分は前線に行かないよね」「このような独裁政権に存在する価値はあるのか?」

また、「トランプはイランのすべてのテレビ局を爆撃すべきだ」といった意見もあった。

「人民は鋼鉄の壁」発言への反発

2020年、トランプ政権1期目において、米国は中共と中国人民を区別する立場を明確にし、中共側の強い反発を招いた。中共の外交部長・王毅は「米国は中国人民と血肉で結ばれた政党を中傷した」と主張した。

同年8月、当時の外交部報道官の趙立堅はポンペオ国務長官の発言に対し「中国人民は中国共産党の鋼鉄の長城であり、誰も打ち破ることはできない」と述べた。

これに対し中国国内のネットユーザーは怒りの声を上げた:「いい思いをするときは我々を無視するのに、大砲の灰にするときだけ絆と言うのか。我々は鋼鉄の壁ではない」「国民を人質にするのか?」「庶民を盾にするな」

2020年9月3日、習近平は「誰であれ中国共産党と中国人民を切り離そうとすることは許されない」と強調したが、海外のネットユーザーからは「また人民が勝手に代表された」といった反応が出ている。

中共の「人海戦術」

中共は国民党との戦争において「人海戦術」を得意としていた。これは武器を持たない一般市民を隊列に組み、次々と前線へ送り込むもので、多くの民間人が命を落とした。国民党軍が攻撃をためらう中、共産軍はその屍を踏み越えて進撃し、わずか3年で勝利したとされる。

カナダ在住の作家・馬森氏は、書籍『私の三度の「解放」』で「当時最も恐ろしかったのは、共産軍が城を攻める際、兵士の前に武器を持たない老弱の農民が密集して進み、防衛側が発砲できなくなったことだった」と語っている。

台湾立法院長を務めた故・梁粛戎も回顧録で、1948年の四平攻防戦において共産軍が5度にわたる攻勢で民間人を前面に押し出し、多数の犠牲者を出したと記している。

また、学者の辛灝年氏は、1947年の孟梁谷戦役において、最前線に老人や子供、さらには女性を立たせる戦術が用いられたとする証言を紹介している。

国民党軍はこれにより発砲を躊躇し、その隙を突いて共産軍が進撃したという。

当時の証言と批判

国民党の将軍・胡璉氏は、共産軍が民間人に手榴弾を持たせて突撃させた様子を目撃し、「我々は撃つに忍びず、むしろ敗北を選んだ」と語っている。

1946年4月16日、上海の日刊紙『大公報』は社説でこの戦術を強く非難し、「素手の民衆を先頭に立たせ、後方から機関銃や迫撃砲で督戦する……これは人道にもとる極みである」と批判した。

さらに、朝鮮戦争においても中共は「人海戦術」を用い、多大な人的損失を出したとされる。

唐兵
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