中国 検査前に薬服用を強要

中国の工場で発覚  健康診断前に薬で鉛中毒隠し

2026/04/12 更新: 2026/04/12

中国では、労働問題を訴えても解決に至らず、企業の利益が優先される現場が少なくない。そうした実態を示す事例が、中国メディアによって報じられた。

中国の電池工場で、健康診断前に従業員へ薬を飲ませ、鉛中毒の数値を隠していたことが明らかになった。「人の命を何だと思っているのか」と、怒りの声が広がっている。

問題の工場は、広西チワン族自治区にある電池メーカー。元従業員によると、会社は健康診断の1〜2か月前から「血液中の鉛を下げるため」として、薬を毎日飲むよう指示していたという。従わなければ出勤できない場合もあった。

この薬は本来、体内の鉛を排出するために使うものだが、検査前に使えば数値は一時的に下がる。そのため、実際には体に異常が出ていても、検査では「問題なし」として処理されていた。

つまり、健康診断で病気を見つけるどころか、会社が意図的に「異常が出ない状態」を作っていたことになる。

さらに内部関係者は、工場内の環境についても証言している。鉛の粉じんを外に出す設備を十分に動かさず、コスト削減を優先していたという。

地元当局は「従業員の訴えは事実」と認め、企業に再検査を指示したが、処分の有無については明らかにしていない。

問題の企業は2006年設立の大手電池グループ傘下で、「環境配慮」や「技術革新企業」などの表彰を受けてきたが、皮肉にもその看板とはかけ離れた実態が明らかになった。

なお、鉛中毒は職業病の中でも特に多いものの一つで、体内に過剰な鉛が取り込まれることで発症する。神経、血液、心臓や血管、生殖機能などに影響を及ぼし、深刻な後遺症を残すこともある。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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